エンタメ

JRA重賞『宝塚記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

 
(C)JRA

先週のマーメイドSは超の付く大荒れで、1、2着ともカスリもしない大惨敗で目を覆った。1着シャムロックヒル…鞍上の藤懸騎手…いくらオークスで、16番人気ハギノピリナを操り3着に食い込んだ記憶が新しいとはいえ、騎手生活11年で初の重賞制覇がココとはツユとも思わなかった。本人も「11年目で百勝もしていないボクを乗せて頂いて…」と嬉しさとともに自虐的なコメントを出していたほどだし。ちなみに同日行われた東京の重賞ユニコーンSも大荒れで、こちらも7番人気、14番人気で決着だもの。無理無理。要するに、どっちのレースを選んだとしても大ハズレだったのね、というオチがついたわけだ。

まあGⅢ戦なのでさほどつぎ込まなかったのが不幸中の幸いか。平常時の競馬でメーンがこんなに大荒れだと、帰りの反省会の居酒屋あたりで、誰も取ってやしないから「藤懸、来るかあ、出てたのも知らなんだ」、「(ユニコーンで2着の)石川の外枠は怖いって言ってたろ。俺は今回…買ってねえよ、バカヤロ」と嘆きのオンパレードで和気あいあい、お酒も進むってもの。早くそんな日常を取り戻したいですなあ。とりあえず今週から〝現金競馬〟復活というのがささやかなグッド・ニュース! イソイソと買いに行こっ。

いよいよ、春の総決算のGⅠ戦宝塚記念なので、ここはちょっと奮発したい。これを外すと、軍資金が〝緊急事態宣言〟となるので、当てるっきゃない! メンバー的に見て、クロノジェネシス、レイパパレの2強戦の様相か、とは思うのが普通だが、これが意外と難しい。宝塚連覇がかかるクロノは主戦の北村友が休養でルメールに乗り替わりだが、一概に〝鞍上強化〟とは言えないのが宝塚の不思議。何せルメールは過去6回騎乗し、すべて上位人気馬でありながら、一度も馬券に絡んでいないのだから、そんなバカな、と目を疑いたくなる。論より証拠、昨年も一番人気サートゥルナーリアで4着…鬼門か? 一方、レイパパレはデビューから無敗の6連勝で、前走大阪杯でGⅠ奪取。負かした相手がコントレイル、グランアレグリアだから大威張りだろう。ただボクには〝小柄牝馬(440キロ以下)は基本的に買わない〟という不文律があるので(当然大阪杯でも無視して痛い目に遭った)、中心視しにくいという個人的ネックがある。

“宝塚”は女の園! と信じて…

さてどうしたものか? と考えあぐねて結局ボックスにした。ルメール懸念でもクロノ、小柄牝馬でも恥ずかしながらレイパパレは一応入れて、第3の牝馬カレンブーケドール、宝塚と相性抜群の怖い怖い池添騎乗のモズベッロ、あと1頭は迷うところだが、武豊騎乗で人気のアリストテレスか、第4の熟女牝馬ミスマンマミーアか…やっぱり〝牝馬の鉄〟だけに後者を優先かなあ。宝塚は女の園! と信じたい。

結局モズベッロが〝黒一点〟の牝馬だらけの予想となった。それも本望ではないか。一番付くのはミスマンとモズのワンツーか、と捕らぬ狸の皮算用である。特にミスマンは宝塚記念超ラッキー枠の8枠(過去8年間で7回8枠がらみ)! 恒例の〝映画馬券〟だが、以前に取り上げた馬ばかりだしなあ、と思いつつレース名の〝宝塚〟を見てつい連想しちゃったのが、往年のロマンポルノで美保純主演の『OH!タカラヅカ』(82年)とは、我ながら照れるぜ。温泉の成分の影響なのか、生まれてくるのがなぜか女の子ばかりで、性風俗産業が異常に発展している〝宝塚島〟を舞台にしたエロチック・コメディーだった。美保純扮するブットビ女高生が、赴任して来た純情教師を岩風呂でゴーチンするシーンが気色良かったっけ。こりゃやっぱり〝主導権はオンナ〟が宝塚を解くキーワード?

買い目は②⑦⑩⑪⑫の5頭ボックス馬連&3連複(馬連は多少強弱を付け)を通常の倍額以上ブチ込もう!!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

あわせて読みたい