映画も好きだが、競馬も好き。それが高じて、東京競馬場に歩いて行ける処に居を構えて30年余のボクである。コロナ禍でも競馬は休みなく続いている。やっと観客も入れ始めた。それが何よりの心の支えだ。で、今年は特別の思いもある。何しろ、JRA史上初の無敗の3冠牝馬が生まれそうだからだ。おまけに牡馬も来週の菊花賞に出走するコントレイルが、史上3頭目の無敗3冠となることが濃厚なのだから、競馬ファンに興奮するな、と言っても無理!
その史上初の無敗3冠牝馬に向かって死角なし、と目されるのがデアリングタクトだ。〝大胆な戦法〟という男勝りな名前が牝馬らしくないのが玉に瑕か。メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイという過去の3冠牝馬はどこか〝牝っぽい〟名前が付けられていたのとは対照的。まあ、そんな既成概念で語ると〝古い〟と言われそうだが…。
過去4戦4勝。デアリングタクトは素敵に強い。強すぎる。彼女で鉄板なのは小学生でも解る。問題はヒモ。ここは、映画評論家の端くれなので、映画に因んだ馬を中心に選びたい。映画題名馬で最大の出世頭はご存じディープインパクト。同名の洋画は98年製作の巨大彗星地球激突ものだった。そして2着筆頭は、そのディープ産駒のリアアメリア。因みに『アメリア 永遠の翼』(09年)という洋画があった。女性初の大西洋横断に成功した伝説の女性飛行士アメリア・イヤハートをオスカー女優ヒラリー・スワンクが演じていた。
〝女性初〟のヒロインの名を冠したリアアメリアが牝馬初の3冠候補の馬に挑むのもオツではないか。鞍上川田将雅はごひいき騎手なのだが、この春から夏、重賞戦線でヘグりまくっていた。でも、このリアアメリアの前走ローズS、先週の京都大賞典のグローリーヴェイズと勝利し、騎手にも勢いが出てきたのは頼もしい。
女優名で選べばオークス2着のウインマリリン
あと映画名というか、女優名で選べばやっぱりオークス2着のウインマリリン。もちろんマリリン・モンローへの連想である。マリリンとかモンローの名を冠した〝夜の店〟がこれまで日本中にどれだけあっただろうか? というぐらい天下御免のセックス・シンボルだったし、競走馬にもそんな名前がチラホラ。その中で、ユニークだったのが、一昔前の馬だが、ライクノーマジーン、リアルノーマジーン。さほど出世はしなかったが、馬主の方、なかなか粋ですなあ、と感心したものだ。何しろ、ノーマ・ジーンというのはマリリン・モンローの本名。馬名の由来が実に〝通好み〟であった。
さて秋華賞。まず⑬デアリング頭に、②アメリア、⑰マリリンの2、3着縛りの3連単で、オークス3着⑤ウインマイティー、底力ありそうな⑩クラヴァシュドール、ルメール騎乗で⑨サンクテュエール、穴気配⑯パラスアテナ、紫苑Sで1着の③マルターズディオサ、福永騎乗①ミヤマザクラ、ローズSで3着の⑭オーマイダーリンへ。馬連はデアリングからアメリア、マリリン厚目に以下の馬へ。コラム初陣だけに当てたい!
秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。
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