「いま一番怖いのは首都直下地震」日本列島を襲う“四重苦” 地震、台風、猛暑、新型コロナに日頃の備えを

 
ともあれ、南海トラフ地震の発生は2035年プラスマイナス5年というのが鎌田浩毅京大名誉教授の唱える最も有力な説だ。

武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が、次のように警鐘を鳴らす。 

「南海トラフ地震は近づきつつあるが、今日、明日起こることはないと思いますよ。一方、9日夜には、神奈川県で震度5弱を観測する地震が発生した。専門家は前日に発生した日向灘の地震とは『距離が遠いので関係がない』との見解を示した。しかし、私は近い将来、富士山噴火を含めたもっと大きな地震が発生するような気がしてならないんです」 

9日午後7時57分ごろの地震は神奈川県西部の深さ1キロを震源とし、同県厚木市などで震度5弱、M5.3を観測した。 

政府の地震調査委員会の委員長を務める前出の平田氏は、この地震と南海トラフ地震の関連について「一般的に考えて距離が遠いので関係がないと思う」とコメントした。

「今回の地震は南海トラフと無関係ですが、1854年の南海トラフ地震の翌年、首都直下地震が発生している。南海トラフ地震に誘発されたと考えられる。鎌田氏も主張しているように、今一番怖いのは首都直下地震だと思いますね」(前出・サイエンスライター) 
 
江戸時代末期の1854年に安政東海地震と安政南海地震が発生。翌年、安政江戸地震が起こった。不幸は続き、3年後にコレラが江戸で蔓延した。

現代はどうか。 新型コロナウイルスの感染が、今年7月から全国的に急拡大し、第11波に突入した恐れがある。