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大谷翔平、打ち崩せるか違法賭博 乗り越えなければならない「疑惑の目」と「差別の壁」

Steve Cukrov
(画像)Steve Cukrov/Shutterstock

1000億円契約でドジャースに移籍した大谷翔平のバットから快音が聞かれ始めた。元通訳の違法賭博事件で捜査当局は大谷を被害者と判断したが、米球界で乗り越えなければならないハードルはまだある。

元スポーツニッポン敏腕記者・吉見健明氏の特別寄稿記事をお届けする。

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ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平に降りかかった違法賭博スキャンダルは、FBI(米連邦捜査局)による異例のスピード捜査によってひとまず疑いは晴れたようだ。

大谷の元通訳・水原一平容疑者が違法賭博にハマって莫大な借金を作り、大谷の銀行口座から大金が送金されていたというスキャンダルは、米連邦検察が水原容疑者を銀行詐欺容疑で訴追し、「ミスター・オオタニが関与した証拠は何もない。彼は被害者だ」と明言したことで、ひと区切りついた格好だ。

大谷の潔白は証明されたはずだが…

同検察によれば、水原容疑者と違法スポーツ賭博胴元のやり取りは2021年から。以降、事件が発覚するまでの約3年間にわたって約1600万ドル(約24億5000万円)以上の金を、大谷の口座から勝手に送金していたという。

37ページに及ぶ刑事報告書には、水原容疑者の悪行が詳細に報告されている。

大谷がエンゼルスからの給与を受け取るための口座を開設した際、通訳として立ち会い、口座データを入手したこと。立場を利用して自分が送金できるように連絡先を変更し、大谷のふりをして送金していたこと。嘘をついて会計士や代理人のチェックを回避したことなど、さまざまな工作をしていた事実が記されていた。

水原容疑者の呆れた行為は、ギャンブル依存症の末路であり、本来なら、これで大谷の潔白は証明されたはずだった。

ところが、アメリカではこの期に及んでなお疑惑の目が完全払拭されていないという。