(画像)Steve Cukrov/Shutterstock
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大谷翔平、打ち崩せるか違法賭博 乗り越えなければならない「疑惑の目」と「差別の壁」


確かに、一般的な感覚であれば、疑問が出るのは当然かもしれない。だが、私は半世紀以上、プロ野球界を取材してきた経験から、それほどおかしな話ではないと考えていた。


プロ野球選手でも金銭関係でマメに口座をチェックするような人物は少数派で、信頼できる誰かに任せているケースがほとんどである。


筆者は過去に何人かの人気プロ野球選手と親しい付き合いをしてきた。一緒に食事や酒席に行くと、いつも札束がギッシリ詰まった財布をポーンと預けられ、支払いを行うのが私の役割だった。

口座確認する選手は少数派

関西の人気球団に入った東京六大学野球のスター選手とは入団前から家族ぐるみの付き合いで、ドラフトでの裏金が支払われた現場に居合わせたこともある。

球団が当時の契約金の上限額とは別に用意した現金を選手の自宅まで持参して来たため、筆者は選手のお母様がこの金を3つの銀行に分散して預けに行くためのボディーガード役として付き添った経験もある。半世紀以上前の話だ。


もちろん、時代背景が違う面もあるが、注目を浴びるスター選手であればあるほど金銭に対する感覚はマヒする。それは現在もそう大きく変わってないはずだ。


断っておけば、私は選手らの金を自分の懐に入れた、あるいは何某かの対価を受け取ったことは一度もない。ただ、当時の私が清廉潔白な人間だったかといえば、そうではない。むしろ逆だ。