母ビリーヴから20年、7歳馬の涙のGⅠ…競馬記者が選ぶスプリンターズS名勝負後編

今年も名勝負が生まれるか!?

秋のGⅠシリーズの皮切りとなるスプリンターズS(ステークス)。前編では韋駄天・サクラバクシンオーが魅せた異次元のレコード、フラワーパークとエイシンワシントンが演じた、わずか「1センチ」の死闘。そして日本競馬界の常識を覆した560キロの超ド級の巨躯・ヒシアケボノの肉弾逃げ切りなどを振り返った。後半では2000年代の名勝負を紹介しよう!

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⑥デュランダル(2003年)
「うしろからは、なにも来ない」聖剣の異名は伊達じゃない、大外一気で連覇を達成した“極限の切れ味”

デュランダル

パドックでの大人しさが嘘のように、実戦では破壊的な末脚を見せた「聖剣」デュランダル。

2003年のスプリンターズSでは池添謙一騎手を背に、4コーナーではまだ絶望的な後方にいた。しかし、直線で大外に持ち出されると、まるで1頭だけ違うエンジンを積んでいるかのような猛スパートを敢行。先行して粘る前年の女王ビリーヴをゴール直前でハナ差で捉え、衝撃のGⅠ初制覇を飾った。

翌年の同レースでも、カルストンライトオの逃げに屈したものの、やはり大外から次元の違う末脚を炸裂させて2着に猛追。ファンはその姿に「どれだけ後ろにいても、デュランダルなら必ず届く」という絶対的な信頼を寄せ、極限の追い込みは今も語り草となっている。

⑦カルストンライトオ(2004年)
新潟直線だけじゃない! 中山の坂をスピードで圧殺した“直線番長”の超特急逃げ

カルストンライトオ

カルストンライトオといえば「アイビスサマーダッシュで驚異のレコードを出した直線番長」という印象が強いかもしれない。しかし、彼の真の恐ろしさは2004年のスプリンターズSで証明された。

前述のデュランダルが連覇を狙う中、カルストンライトオは大外16番枠からロケットスタートを決めてハナを奪うと、そのまま後続に脚を使わせるハイペースで逃げまくった。

中山の急坂。並の逃げ馬ならここでバテるところだが、カルストンライトオのスタミナとスピードは衰えない。猛然と追い込んでくるデュランダルを4馬身もちぎり捨てる、歴史的な大金星。直線の絶対王者が、コーナーのある中山でも「誰も追いつけないスピード」を見せつけ、スプリント王の座に輝いた瞬間だった。

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