サクラバクシンオーからアグネスデジタルまで…競馬記者が選ぶスプリンターズS名場面前編

秋のGⅠシリーズの開幕戦

中央競馬は9月27日のスプリンターズS(ステークス)を皮切りに、年末の有馬記念まで秋のGⅠシリーズ11戦がスタートする。その中で名馬たちが繰り広げた「名勝負」を紹介しよう!

■夢か、執念か――。中山の直線、わずか1分弱の電撃戦に命を懸けた、快速馬たちの魂の記録が蘇る!

競馬の祭典・秋のGⅠシリーズの開幕を告げる「スプリンターズS」。中山競馬場の坂を舞台に繰り広げられる1200メートル戦は、一瞬の油断も許されない日本一過酷なスピードバトルだ。

その過酷なレースで時代の常識を覆し、ファンの度肝を抜いた名馬たちの「一瞬の閃光」と、今なお語り継がれるドラマチックな裏舞台を、競馬担当記者の秘蔵エピソードとともに一挙に振り返ろう!

① サクラバクシンオー(1994年)
1分07秒1の衝撃! 韋駄天馬が魅せた「スプリント近代史」の完成形

サクラバクシンオー

日本の競馬史において1200メートルなら誰にも負けない究極のスピードスター、それがサクラバクシンオーだ。

天皇賞馬サクラユタカオーを父に持ち、名牝スターロッチの血を引くという「日本近代競馬の結晶」のような超良血。しかし、その有り余るスピードゆえに距離の壁に泣かされ、一時は「マイルでも長い」と揶揄された。

だが、短距離路線に特化した時の輝きは異次元だった。圧巻は1994年のスプリンターズS。宿敵ビコーペガサスらを寄せ付けず、当時の日本レコードとなる1分07秒1のタイムで圧勝。

4コーナー先頭からそのまま後続を千切る姿は、まさに“風”そのもので、スプリンターとしての完成形を全国の競馬ファンに見せつけ、惜しまれつつターフを去った。今なお短距離王の代名詞として、オールドファンの胸に刻まれている。

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