北朝鮮が中露をも従える"経済成長国"に…トランプが焦る米朝首脳会談の思惑

(画像)Alexander Khitrov Shutterstock.com

国際社会からの厳しい制裁を受け、人民は国家権力から抑圧される…。その独裁国家・北朝鮮が、いまや中国・ロシアという2大軍事国家をかしずかせるまでの変貌を遂げた。

韓国の国家安保戦略研究院の報告書によると、北朝鮮の変化は2023年8月から'25年の年末までに、ロシアへの派兵や武器売却などにより、推定で最大2兆3000億円の収益を得たという。

さらに、7月末に韓国の中央銀行である韓国銀行が公表した推計では、北朝鮮の'25年実質GDPは前年比3.5%増。経済成長率は3年連続で3%超となり、北朝鮮はアジア最貧国から脱却した。

そして、トランプ米大統領までもが、11月に控えた中間選挙の点数稼ぎのため、同盟国・韓国の頭越しに3回目の米朝首脳会談に臨もうと秋波を送り続けているのだ。

だが、中ロをバックとする金正恩総書記と会談して何を引き出すつもりなのか、その意図は全く見えてこない。すでに国連の制裁解除というカードは、北朝鮮の経済発展により切れないからだ。

北朝鮮を対話に誘う陽動作戦

8月21日、米国務省は、韓国へのAIM―9XサイドワインダーブロックⅡ戦術ミサイル及び人権監視プロジェクトへの資金提供を発表した。北朝鮮は強く反発したが、これも米朝首脳会談のテーブルに着かせる陽動作戦とみられている。

「トランプ氏は8月19日、『正恩氏は57個の非常に強力な核兵器を持っている』と明かしています。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)による最新の推計である60発とほぼ一致する数です。米国大統領が北朝鮮の具体的な核兵器の数をバラすのは初めてのこと。核なしイランを攻撃したにもかかわらず、何も得ることができないトランプ氏は焦っている。11月に中間選挙を控え、米国の世論の目を別の方向に向けさせるため、北朝鮮に秋波を送っているとしか考えられません。というのも、朝鮮半島の非核化を考え、入念に正恩氏との対話を準備してきたという痕跡が全く見当たらないからです」(国際ジャーナリスト)

北朝鮮は過去6度の地下核実験を行った。うち正恩体制下では4回だ。

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