北朝鮮が中露をも従える"経済成長国"に…トランプが焦る米朝首脳会談の思惑

表面化する米韓同盟の亀裂

李氏は'25年6月に大統領に就任した直後から中国との関係改善を重視し、今年1月には北京を訪問して「韓中関係の本格回復元年」と位置付けたと伝えられる。中国の習近平国家主席は同首脳会談で、中国と韓国は共に第2次世界大戦で「日本軍国主義」と戦ったと述べたとされる。

実際は大戦後まで中華人民共和国は建国されておらず、朝鮮人の国籍は日本であり米国と戦っている。中国はこのようなプロパガンダを繰り返し、米韓・日韓分断を図っているのだ。

今年2月には、日米韓共同訓練の日程調整の過程で、韓国側が日本の参加に難色を示したことで、日本は共同訓練の不参加を決めた。

「日韓関係では、今年1月の首脳会談後、高市早苗首相が『日米韓』と述べたのに対し、李氏は『韓中日』という表現を用いて中国を重視したほか、6月には日本との安全保障協力を巡り、李氏は『げんこつで殴られた過去(日韓併合)の記憶があるのに、本当に協力できるか』と日韓の歴史問題をほじくり返しています」(北朝鮮ウオッチャー)

トランプ氏が李政権への警戒感を示している証左として昨年8月、SNSで「韓国で粛清と革命が起きている」と投稿したことが挙げられる。背景には、情報機関などから伝えられた韓国情勢への認識があるとみられる。「粛清」は尹錫悦前大統領や保守勢力への過度な追及、「革命」は社会制度を変革する動き(嫌中者の処罰など)だ。

揺れる日韓関係の行方

米韓で注目すべき点では、戦時作戦統制権(戦作権)の移管問題がある。

「1950年の朝鮮戦争以降、平時の戦作権は韓国軍が持っているが、北朝鮮との全面戦争など有事の際には米韓連合軍が行使する取り決めがあるのです。歴代の進歩系政権は、『自主国防』を最重要課題として掲げ、戦作権の移管を積極的に推進してきました。李政権もまた、任期内に戦作権の移管を推進するという立場を繰り返し明らかにしています。この動きに対し米国は、北朝鮮および中国を利する動きとして戦作権維持を強く求めています」(前出・軍事アナリスト)

米中による世界戦略競争が激しさを増す中、今後、韓国は日米関係重視路線か、親中・反日米路線のどちらを選択するのか。