支持率64%なのに首長選7敗の謎 台湾発言・電撃解散・消費税公約空洞化…高市1強を脅かす「逆転劇」

台湾発言・電撃解散・予算強行 独断の積み重ねが招いた党内不満

つまり、有権者も高市氏に期待と不安の相反するものを感じ取っているのだ。有権者が抱く危機感とは、高市氏の独断的行動に他ならない。

その1つは台湾有事を巡る発言だ。昨年11月7日、高市氏は衆院予算委員会で中国への「(台湾に)戦艦を使って武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得る」と答弁した。

この答弁に中国は「1つの中国の原則に反しており、内政干渉に当たる」として激しく反発した。

「台湾有事での『存立危機事態』発言撤回を要求する中国に対し、高市政権は撤回していない。以降、日中関係は冷え切ったままです。中国はハイテク製品に使用されるレアアース(希土類)輸出の締め付けをはじめ、訪日観光自粛を促すなど、その損失額は一説には累計2兆円ともされます。
件の高市発言は事前の官僚とのすり合わせた答弁内容には含まれておらず、首相が独断的にアドリブ発言したことが判明しました。高市政権は『従来の政府の見解を変更しているものではない』との方針を崩さず、日中関係解決に積極的に乗り出そうとしていません」(政界関係者)

独断は1月23日の衆院解散時にもあった。高市氏は政権樹立の最大の後ろ盾、麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長にも内々に相談した形跡はなく、電撃解散に踏み切ったのからだ。

「結果として、自民党は単独過半数を大きく上回る316議席を獲得した。歴史的大勝をしたことで、麻生氏も苦言を飲み込まざるを得なかった。党内では『あまりに独断的すぎる』『暴走だ』との不満が残っています」(政治担当記者)

4月7日に成立した新年度予算案でも高市氏の独断は続く。1月衆院解散、2月8日衆院選投開票で予算案の年度内成立は審議時間不足で与野党とも常識的にあきらめていた。

だが、高市氏は年度内成立にこだわった。これには参院自民党が猛反発し、結局、年度またぎの7日成立となった。

「高市氏は年度内予算成立が頓挫した際、『大変残念だ』と悔しさをにじませました。もともと、年度内成立は“無理筋”だったのに、衆院選を圧勝したことで冷静な判断ができなくなっているのかもしれません」(自民党関係者)