小泉&高市人気で自民党の単独過半数回復を画策「解党的出直し」とは名ばかりの“古い自民党”体質

小泉進次郎、高市早苗 (C)週刊実話Web
石破茂首相がついに退陣を表明した。自民党内では小泉進次郎農相を次の総理・総裁に押し立てようとする動きが加速。その狙いは早期の衆院解散で、裏に陣取るのは派閥と長老、裏金議員たちだ。「解党的出直し」とは名ばかりの古い自民党に逆戻り――。

麻生、菅、岸田が揃って“小泉氏推し”

「お前も総裁選に出たらいい。でも、決選投票では結束するぞ」

9月5日夜、東京・四谷の高級日本料理店『りゅう庵』で麻生太郎党最高顧問は、自身に近い茂木敏充前幹事長が出馬への意欲を伝えると、こう話して背中を押した。

3日に麻生氏が、8日に意見集約する予定だった総裁選の前倒しに賛成すると表明し、流れを一気に強めた「石破おろし」は佳境を迎えようとしていた。

総裁選実施には、党所属の全国会議員と47都道府県連の総数342の過半数である172以上の賛成が必要だが、すでに中堅・若手議員だけでも150に届く勢いになっており、過半数に達するのは確実だった。

麻生氏に近い関係者の話によると、「本人は、もはや石破首相退陣は当然のこととして、後継を決める総裁選では、巷間言われていた高市早苗前経済安全保障相ではなく、小泉進次郎氏を推すと茂木氏に伝えた」

政権の枠組みについても、これまで個人的に関係を築いてきた国民民主党ではなく、日本維新の会との「自公維連立」を目指すとし、その新政権の主流派になるべく茂木氏と決選投票での協力について入念に話し合ったという。

小泉氏は菅義偉元首相を後ろ盾としており、昨年9月の総裁選では岸田文雄前首相に近い旧岸田派の中堅・若手議員の後押しも受けた。

一方で、菅氏との間に溝がある麻生氏は高市氏を支援した。しかし、今回は菅、岸田両氏と共に3人の首相経験者がそろって小泉氏を推す算段なのだ。何を目論むのか。

「保守色が強い高市氏を毛嫌いする議員は党内に多く、議員票の比重が増す決選投票になれば今回も厳しい。ならば、ここは菅氏と手を結ぶということだ」

関係者は麻生氏の心中を明かす。

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