新内閣支持率わずか20%「冷えたピザ」と揶揄された小渕恵三のしたたかな政治家の顔

「そりゃマズイな。心して臨まにゃいかんね」

あれは副総裁のときだったか、同席していた某社の政治部記者、小渕の秘書らも含めて“小渕を衆院議長に棚上げする説”が話題にのぼった。

自民党の実力者のなかで、小渕の将来的な首相就任を阻止するために、衆院議長へ棚上げする“陰謀”が出始めたという内容である。

これを耳にした小渕は、それまで情報として伝わっていなかったのか、一瞬、顔を曇らせて言った。

「そりゃマズイな。心して臨まにゃいかんね」

その表情を見た瞬間、筆者は初めて小渕が、じつはその裏で相当のしたたかさを秘めた政治家であると得心した。

小渕は早稲田大学大学院に在学中、まさに「なんでも見てやろう」精神で、世界一周武者修行、38カ国を踏破する放浪の旅に出掛けているが、その際にもエピソードがある。