“捏造”でも「面白い話が正義」古田新太が役者としてのポリシーを語る

「カットがかかったら、すぐに素に戻ります」

古田新太 (C)週刊実話Web
――俳優に求められるのは、こだわりを持たず、役を演じきることだと?
古田「オイラはそう思います。舞台をやりながら映画もやって、ドラマもやって、違う役を同時に3つやることもあるんです。
一回一回、その役から抜けていかないと、どれも一緒になるわけだから」

――古田さんはどうやってその切り替えを?
古田「カットがかかったら、すぐに素に戻ります。ずっとそうしてましたね。
クラシックバレエをやっていたときは、複数の役で舞台に出なきゃいけなかったし、そこからアングラ演劇のほうに行ったんですけど、そもそも『どうやって役作りするんだよ!』っていう馬やムカデもやらなきゃいけないわけです。
そこから映像のほうに行ったから、カットがかかったり、フレームから外れたら、すぐに素に戻るのが当然なんです」
古田新太 (C)週刊実話Web
――経験の豊富さが古田さんのすごさだと改めて感じました。古田さんはシンドラー役の山田裕貴さんを高く評価されていますね。
古田「やーまだ(編集部注※古田さんは山田さんをこのように呼ぶ)とは2度目の共演なんですけど、真面目で信じる力が強い俳優さんだから、すごく尊敬してるし、信用してます。
やーまだが素晴らしいのは、オイラのアドバイスとか監督の指示をまずちゃんと聞き、そしてやれるようになるんです。
さっきも言いましたけど、そこに工夫はのっけない。それが、やーまだを俳優さんとして信用できるところです」

――他の共演者も、個性派ぞろいで豪華ですね。共演歴がある方も多いのでは?
古田「ほとんど共演してますね。エンケン(遠藤憲一)さん、小手(伸也)、小澤(征悦)、生瀬(勝久)さん、(神尾)楓珠、野間口(徹)とか。
小澤くんなんか、本当に19世紀から来たのかって雰囲気で」

――ベートーヴェンの弟・ヨハン役が実にハマってました(笑)。古田さんといえば共演者と飲みに行って親交を深められるのが有名ですが、今回はどうでしたか?
古田「この映画はほぼスタジオで撮ったんです。街の中も全部LED背景で。東京で撮ったから、基本的には家に帰れるんで、やーまだや監督と一度行っただけ。
やーまだと共演した前作では地方ロケだったし、出演者みんな同じ宿だったから、毎晩飲んでたんですけどね。
それに、今回は物語の途中でベートーヴェンは死んじゃうから」