“捏造”でも「面白い話が正義」古田新太が役者としてのポリシーを語る

古田新太 (C)週刊実話Web
音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った映画『ベートーヴェン捏造』の公開(9月12日)を記念して、ベートーヴェン役を務めた俳優・古田新太を直撃。本作の見どころだけでなく、古田新太の魅力に迫った特別インタビューをお楽しみあれ!

古田新太「ついにドイツ人か、と(笑)」

――ベートーヴェン役を演じた古田新太さんです。オファーが来たときのお気持ちはいかがでしたか?
古田新太(以下、古田)「いろいろ演じてきたけど、ついにドイツ人か、と(笑)。
脚本のバカリちゃん(バカリズム)と関和亮監督が、日本人がドイツ人を演じても違和感がない仕組みを作ってくれていたので、楽しくやれました」

古田新太 (C)週刊実話Web
――「中学生が先生から聞いた19世紀の世界観を頭の中で妄想した」という映画オリジナルの設定ですね。
古田「そう。中学生の子の頭の中のお話だから、登場人物は学校の先生が充てられているんです。ベートーヴェンは校長先生、シンドラーは音楽の先生、という感じで」

――一般的に知られているベートーヴェン像は、実は元秘書のシンドラーがベートーヴェンの死後に捏造したものだった、という原作の面白さもさることながら、映画オリジナルの設定がとてもいいです。
古田「オイラはクラシックバレエをやってたから、原作本を読む前からベートーヴェンがかんしゃく持ちで気難しい人間だったんじゃないかと思ってました。
その点では、イメージした通りの人物として演じましたね」

――ベートーヴェンにどういったイメージをお持ちでしたか?
古田「破壊者、ですね。
それまで室内楽だったクラシックをコンサートホールでやったり、『第九』で合唱を入れたり、『運命』のようなショッキングな曲を貴族の前でやったりと、常識を変えた人。
だからデストロイヤーな人間だと思うんです。ショパンやモーツァルトが作っていた音楽とは別物ですから、そういう意味ではパンクな人ですね。共感する部分も多いです」