【自民党内部分裂】麻生太郎、菅義偉、岸田文雄“元首相三つ巴”権力闘争

石破茂 (C)週刊実話Web
9月7日、石破茂首相(自民党総裁)が退陣を表明。自民内部分裂の亀裂が深刻化している。権力闘争の主役は麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相の3人だ。
それぞれ意中のポスト石破候補を抱え、野党も巻き込むなど、政界全体が戦国時代に突入したと言える。三つ巴の戦いを緊急レポート。

当時の麻生首相に退陣を迫った石破農林水産相

この争いは真のリーダーを決め、自民党を立て直すためのものなのか、それとも党の自滅に向けた果たし合いなのか。

それはまだ誰にも分からないが、ただ一つ言えるのは、世界が米国や欧州などの民主主義諸国と、中国、ロシア、北朝鮮という「悪の枢軸」を中心とした専制主義国家とで分断され、激動の時代を迎えている中、日本の政治は内側を向いているということである。

退陣表明する直前の石破首相に対する各報道機関の世論調査で「辞任する必要がない」が「辞任すべきだ」を上回っていたのは、この政局が国民不在の政治家の個利個略であることを、国民が見抜いていたからに他ならない。

そうした悲しい現実を知ってか知らずか、党内で唯一、自派閥を残した麻生氏は9月3日に横浜市で行われた麻生派研修会で怪気炎を上げた。

「自民党が責任政党としての役割を果たし、党内が一丸となって邁進できる体制を整えるためにはどうすればいいか。
堂々と胸を張って説明できるような行動をお願いしたい。私自身については、総裁選の前倒しを要求する書面に署名し、そして提出すると決めております」

振り返ること16年前の2009年7月。農林水産相だった石破首相は、閣僚でありながら、当時の麻生首相に退陣を迫った。

麻生氏はこのときの恨みを忘れていない。【関連】石破首相vs旧安倍派「最終戦争」足並み乱れる反石破派