【自民党内部分裂】麻生太郎、菅義偉、岸田文雄“元首相三つ巴”権力闘争

岸田元首相が狙う自らの再登板

岸田政権では麻生氏に支えてもらったが、昨年の総裁選では決選投票で石破氏を支持したため、麻生氏との間で深刻な亀裂が入った。

その岸田氏が狙うのは、自らの再登板である。だが、旧岸田派からは林芳正官房長官が首相の座を狙っているため、岸田氏にとっては面白くない。

政治部記者は「林氏を首相にしてしまうと、自分の出番は回ってこないと岸田氏は思っているので、林氏をポスト石破に推すことはありません。林氏の動向を警戒しています」と話す。

麻生、菅、岸田3氏の主導権争いは自民内だけにとどまらない。

衆参両院で与党過半数割れとなったため、予算案や法案を成立させるためには、野党との連携は欠かせない。その戦略を巡っても麻生氏と菅氏には明確な違いがある。

麻生氏はかねてから国民民主党の玉木雄一郎代表に秋波を送っており、麻生氏が党内で実権を握れば、国民民主との連立は現実味を帯びそうだ。

立憲民主党を支持する自治労や日教組といった官公労とは組めないが、国民民主を支える民間労組となら抵抗なく組むことができ、「労組票も喉から手が出るほど欲しい」というわけだ。