機動戦士Gundam GQuuuuuuXが未だに賛否を呼ぶ理由「現代のニュータイプ思想」とは何か?

機動戦士ガンダムGQuuuuuuX公式サイトより
機動戦士ガンダム『GQuuuuuuX』が最終回を迎えて早1週間。その内容には未だに賛否が飛び交っている。『GQuuuuuuX』が描いたモノとは、これらの反応も考慮した「現代におけるニュータイプとは何か?」だったのかもしれない。 

現代のニュータイプとは何か? 

現代におけるニュータイプとは、情報と感情がリアルタイムに過剰接続された世界において、他者の知覚と苦痛をノイズとしてではなく、共振として受け取れる存在である。 

しかしその共振は、進化ではなく、過剰負荷と紙一重であり、倫理的責任と存在的苦痛を同時に引き受けなくてはならない。 

1979年のファーストガンダム放送当時、ニュータイプという概念は明確な定義を持たず、ニューエイジ思想の残響として描かれていたように思える。 

宇宙に適応した新人類として「人類の進化」を描き、戦わずしてわかりあえる理想としての「テレパシー理解」、非暴力的な「未来像」への予感など。これらは当時のカウンターカルチャーや、戦後日本の科学技術と心の問題を統合する知の探求とも響き合っていた。 

だが、富野由悠季監督は後年、このニュータイプ幻想を自己批判し、反理想主義としての転回を図る。 

ニュータイプが神格化され、結果的に新たな差別構造や戦争の正当化を生んでしまうことを描いた。