機動戦士Gundam GQuuuuuuXが未だに賛否を呼ぶ理由「現代のニュータイプ思想」とは何か?

 「思い出が汚された」とはどういうことか? 

作品の賛否は、単なる好みやストーリー理解度の問題ではない。情報接続社会の倫理にどう向き合うかという思想的スタンスの違いの表出である。

もっと言えば、『GQuuuuuuX』そのものが、現代的ニュータイプ性をめぐる社会的テストということだ。

また、大胆にファーストガンダムへ触れたことによって、従来のガンダムファンたちの拒絶反応も見受けられる。

しかし「ファーストガンダムの思い出が汚される」という感覚こそが、『GQuuuuuuX』の問題設定の中心にあると言っていいだろう。

なぜなら、それは単なるノスタルジーではなく「過去の理想が現在の現実に耐えられなくなった瞬間」の証であるから。

「思い出を汚された」という反応は「かつて信じていた希望のメッキが剥がれる痛み」に対する防衛反応であり、同時に作品が「本質的な問い」を突いている証左でもあるのだ。

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