「僕のちっぽけな人生のハイライト」ジャニーズ性加害問題でSMILE-UP.を提訴した男性3人が考える“救済と補償”

堀田氏「私にとってはリスクしかありません」 

堀田美貴男氏 (C)週刊実話Web
堀田氏も上田氏と同様に“所属組”ではない。それぞれ少年時代の夢や希望をジャニー氏に食い潰された悲痛な思いを抱いている。

―会見を終えた率直な感想を教えてください。 
堀田氏「SMILE-UP.へ申告し、ヒアリングも受けて被害の確認が出来なかったと被害者委員の弁護士から回答がありました。問い合わせや不明点があれば、メールにて連絡。電話でのお問い合わせは受け付けておりませんとの内容で、その時点で不信感がありました。 
再調査・再面談の依頼をメールにて弁護士事務所へ送信するも連絡なし。メディアを通じて実名告発や地位確認訴訟までしないといけないことに憤りを感じております。 
まずは対話、再面談を依頼するのみですが、会見も行い、私にとってはリスクしかありません。SMILE-UP.は『真摯に対応する』とコメントされていますが、はたしてどうなるのか、また違った不安がよぎります」 

―補償を受ける人がいる一方、対象外とされたのはなぜだと考えていますか? 
堀田氏「私は地方出身で、なおかつジャニー喜多川との接触が不自然だと思われているのかと感じます。オーディションを介した訳ではなく、おっかけの際にジャニー喜多川を見つけ、自ら声をかけたというシチュエーションですので、これを容易に納得するのは難しいと感じる部分はあります。 
ですが、事実としてあったことに違いはなく、偽りや間違いはありませんので、対話を継続したうえで改めて調査をお願いしたいと、切に願っています」 

―面談ではどのような資料を提出・用意したのでしょうか? 
堀田氏「陳述書をSMILE-UP.社と日弁連の人権擁護申立に提出しております。日弁連は現在も調査中です。 証拠としては、チケットなどジャニー喜多川と接触した当時のものや、一緒にレッスンに通ったJr.の友人の名前なども記して伝えています」 

―堀田さんにとっての「救済・補償」とは何か? 
堀田氏「悔しかったり、悲しかったりという気持ちや愚かだった自分を呪い殺してやりたいと、そう思ってきた負の時間を取り戻せるかも知れないという切なる希望です」 

イギリスのBBCが「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」を報じたのは、2023年3月7日。そこから2年が経過した。 

その後、芸能界の性加害問題は大きく表面化し、様々な形で騒動になっている。しかし、被害者への誹謗中傷が止むことはなく、むしろ過激化しているようにさえ思う。 

今回の会見で被害内容や証拠を公にすることを求める声もあるが、もし仮に自分が被害者だとして、過去のトラウマが蘇るような事柄を実名で世間に公表するだろうか? 

世間には、どことなく一連の問題は解決したような空気が流れているが、まだ問題は山積みだ。 

取材・文/週刊実話Web編集部