巨人“日本一奪還”は移籍選手の活躍次第 「大型補強史」が突き付けるマルティネス、甲斐拓也、田中将大の不安材料

田中将大 (C)週刊実話Web
【プロ野球開幕カウントダウン(下)】
昨年末、巨人はライデル・マルティネス(中日)、田中将大(楽天)、甲斐拓也(ソフトバンク)と立て続けに大物選手を獲得。久しぶりの大型補強を行った。

そこで前記事では、今年の巨人の成績を占うために大型補強が功を奏し、リーグ優勝や日本一制覇に結びついた「成功例」を見てきたが、今度は一転、空回りに終わった「失敗例」を振り返ってみよう。

【プロ野球開幕カウントダウン(上)】巨人「大型補強の歴史」が示す“13年ぶり日本一奪還”のカギ 阿部監督は優勝確率90%と宣言

【失敗例(1):2006年】先発、抑えで実績ある投手をFA補強も結果出ず

リーグ5位に終わった2005年。そのオフに原辰徳監督が2度目の就任を果たし、大補強に乗り出した。長らくクローザーとして活躍した豊田清(西武)と1999年に19勝を挙げた野口茂樹(中日)という、両リーグを代表するリリーフ右腕と先発左腕をFAでW獲り。

豊田は推定年棒2億5000万円で2年契約。しかし35歳になって往年の力はなく、移籍1年目のこの年は1勝4敗13セーブ、防御率3.32とまったくの期待外れ。その後はクローザーから中継ぎに配置転換され、クローザーに完全復帰することはなかった。

野口は推定年俸1億円で2年契約。期待されたが、調子が上がらず開幕は二軍スタート。5月に移籍後初登板初先発を果たすも試合直後に左肩痛を発症して二軍落ち。その後は出番を与えられず、わずか1試合のみの登板に終わった。

この年の巨人は、FA移籍組の不振に加え主力に故障者が続出したため、シーズン中盤に大苦戦。一時は最下位に転落し、最終的には2年連続Bクラス(4位)に終わった。