【2025年の大予言】“闇バイト”による強盗や特殊詐欺が急増!「トクリュウ型」の凶悪犯罪から身を守れ



ボタン式のドアノブは交換すべし

トクリュウによる犯行は、防犯意識が低いとされる高齢者や女性をターゲットにする傾向があり、郊外の戸建てを標的にして、死角となりやすい勝手口から侵入する手口が多い。

強盗被害に遭わないようにするには、どうしたらよいのか。

不動産コンサルティング会社・さくら事務所の田村啓氏は、「下見の際に狙われにくい家になるよう対策すべき」と話す。

犯行グループに、この家なら侵入できそうと思われてしまっては、その時点でおしまいというわけだ。

犯人は自分たちの姿が記録されることを嫌うため、ダミーでもいいので防犯カメラのほか、人感センサーで作動するライトやアラームなどの設置は有効だ。

また、インターホンを録音機能付きのものに交換するのもいい。

ただ、センサーライトは夜間には有効だが、空き巣は昼間に入ってくることもあるので、注意が必要だ。

「警察の調べでは、空き巣被害に遭った住宅の侵入経路は、50%弱がカギのかかっていなかったドアや窓だそうです。カギの閉め忘れを防ぐには、玄関のオートロックや自動で降りる窓の電動シャッターがおすすめです。これらは後から付けることができます。もっと簡単に窓ガラスを破られにくくするには、ホームセンターで安く買える防犯フィルムを貼るといいでしょう」(田村氏)

防犯の基本は、当たり前のことだが、カギをかけ忘れないことだ。

築古の戸建てでは、台所の勝手口がボタン式ドアノブの場合がある。

ドアノブの真ん中にボタンがあって、押すとロックがかかるタイプだ。

田村さんは「外から強く叩くと壊れて開いてしまう」と指摘する。

これは新しいカギに交換したほうがよいだろう。

換気のために2階の窓を開けて、閉めに行くのが面倒で開けっ放しにしたりするのは、高齢者にありがちなパターンだが、戸建ての2階くらいは侵入されてしまう可能性があるので、油断は禁物だ。

昨今の強盗に関して言えば、現場の実行犯は闇バイトで集められた素人。ゆえに手口は荒っぽく、1階の大きい窓が狙われているので、優先順位としては1階の窓や玄関を重点的に固める。

そして、もし侵入されたときに、諦めてさっさと出ていってもらうような対策として、窓を破られたときに鳴る大音量のブザーがある。

その音で近所の人が集まってくる可能性もあるので、実行犯が素人ならば驚いて逃げるかもしれない。

また、狙われやすいのは、侵入しやすいだけでなく、逃げやすい住宅だという。

「通りに一面だけではなく、二面接しているような住宅です。例えば表から入って、奥の台所からも道に出られるような造り。侵入経路と出口が違うと、顔を見られるリスクが低くなります」(同)

戸建ての場合、樹木で囲まれている住宅もあるが、樹木が“目隠し”状態になっていると、いったん敷地内に入れば何をしてもバレないと思われてしまう。注意が必要だろう。

また、塀や生垣を防犯に活かすには、両方セットで置くこと。塀だけでは簡単に登られてしまうし、生垣だけだと通り抜けられてしまう。

トクリュウの下見役が何かしらの業者を装って訪問してくると、高齢者はドアを開けてしまいがちだ。

田村さんは「訪問してくるリフォーム会社はすべて怪しいと思っておいたほうがよい」と指摘する。

年末年始、実家に帰省する人は、高齢の両親にしっかり伝えておいたほうがよいだろう。

近年は近所付き合いが減る一方だが、地域の連携は戸建ての防犯ではもっとも重要であり基本だ。

「郊外の戸建ては高齢者が多く、空き家も増えています。近隣住民とのコミュニティーが希薄化しているので、改めてあいさつに行くのもいいでしょう。このご時世なので、防犯の話もしやすいタイミングです」(同)