【2025年の大予言】“闇バイト”による強盗や特殊詐欺が急増!「トクリュウ型」の凶悪犯罪から身を守れ



実行役のメンバーが流動的なトクリュウ

トクリュウ型犯罪の特徴は、その凶悪さだ。

23年1月に東京都狛江市で発生した強盗殺人事件では、90歳の女性宅に宅配業者を装って4人組の男が押し入り、女性の両手を結束バンドで縛って、腹や背をバールで殴るなどして死亡させ、高級腕時計などを奪った。

ルフィ事件では、これまでメンバー70人以上が逮捕されているが、職業は会社員、建設作業員、学生などさまざまで、事件ごとに実行犯は異なる組み合わせだった。

同一グループによる犯罪ではあるものの、闇バイトとして集められた実行役のメンバーは流動的であり、互いに面識がないことすらある。

これこそがトクリュウ最大の特徴である。

トクリュウは、匿名性の高い通信手段を使っていることも特徴で、指示役をはじめとした集団の中核となっている容疑者を特定できず、大きな問題となっている。

逮捕されているのは、ほとんどが末端の実行役だ。

警察庁によれば24年4月から6月に、トクリュウとみられる犯罪で検挙された人数は、詐欺や窃盗、強盗など合わせて824人いる。

多いのは詐欺で452人、続いて窃盗、薬物事犯、強盗が続いている。

強盗事件が大きく報じられるのは当然だが、実際には詐欺が多いようだ。

振り込め詐欺やオレオレ詐欺などの特殊詐欺事件では、「主犯・指示役」を中心として、グループメンバーは役割分担して犯行に及ぶ。

電話を繰り返しかけて被害者をだます「架け子」、現金を受け取りに行く「受け子」、被害者からだまし取るなどしたキャッシュカードなどを用いて、ATMから現金を引き出す「出し子」のほか、犯行に悪用されることを承知しながら拠点をあっせんしたり、架空・他人名義の携帯電話や預貯金口座などを調達したりするのが、「犯行準備役」だ。

特殊詐欺の被害額は、14年の565・5億円から21年には282億円へと半分以下にまで減っていたが、22年に370・8億円、23年に452・6億円と近年は大幅な増加傾向にある。

首都圏で相次いだ強盗事件では、事前にターゲットとなる住宅や店舗を下見し、犯行計画を立てて実行していたと考えられている。

横浜市青葉区の強盗殺人事件の現場付近では、事件の数カ月前から「業者」と称する不審な人物が、訪問したり電話をかけたりした事例が17件も確認されたと報道されている。

それぞれ、不用品の回収や下水道の確認などと説明しており、氏名や社名は名乗らなかったという。

業者と名乗るそれらの不審人物は、「工事のあいさつ」や「不要品の買い取り」「外壁が傷んでいる」といった口実で、居住者を玄関先に呼び出し、相対して様子を見ようとする。

資産状況の下見だった可能性もある。そうした犯行の下見も、実行犯の中で細分化された役割の一つである。

何かしらの業者のふりをして、あらかじめ自宅を訪問し、様子をうかがった後に犯行に及ぶという特殊詐欺のノウハウが、そのまま強盗に持ち込まれて行われているようだ。