石破政権が“倒閣封じ”を画策「前門の玉木」「後門の小沢」を退ける3つの掃討作戦

石破茂(C)週刊実話Web
「雄一郎、石破が『どうか助けて下さい』って言ってるんだ。ここは手を貸してやったらどうだ」

先の衆院選で自民党が惨敗を喫した翌10月28日、亀井静香元建設相からの電話に、国民民主党の玉木雄一郎代表は「分かっています。今回はそうします」と応じた。

亀井氏が玉木氏に電話をしたのは、その直前に石破茂首相から「玉木氏との間を取り持ってほしい」と電話で懇願されたからだ。

亀井氏は玉木氏の後見役を任じており、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急内のオフィスエリアに、玉木氏をちょくちょく呼び出す間柄だ。

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自民、公明両党で衆院の過半数を割り込んだものの、28議席と躍進した国民民主が特別国会での首相指名選挙で、立憲民主党の野田佳彦代表の名前を書かなければ、相対多数で石破首相が再選される。

玉木氏は、国民民主党の選挙公約である、所得税非課税枠「103万円」の引き上げ実現を条件に、事実上の協力を確約したのだ。

だが、玉木氏の発言内容が自民党内に伝わると、非主流派の麻生太郎最高顧問は、険しい表情で「もう石破は代えられない。このまま参院選を戦うしかねえな」と周囲につぶやいた。

どういうことか。麻生氏に近い自民党関係者が話す。

「玉木氏が次も協力するかは分からないからだ。仮に来年の参院選前に石破首相を降ろしたところで、次の総裁が総理になれる保証はない。野党連合による選挙管理内閣が誕生して、直後に衆参同日選を仕掛けられる可能性もある。そんなリスクは冒せない以上、石破首相のまま参院選に臨まざるを得ない」

玉木氏は自公両党に国民民主党の公約をのませられるだけのませる一方で、野党の枠組みで政治改革の実現を迫って石破政権を揺さぶり、最後は「金看板」の消費税減税を突き付け、参院選での大幅議席増を狙う――。

その先には首相の座を見据えているというのが、この党関係者の読みだ。

「自民党はここまで追い込まれている。首相に『衆院選惨敗の責任を取れ』と騒いでいるような連中は、状況次第でいつでも政権の座から退場させられてしまう、この極めて深刻で危機的な状況が分かっていない」(同)