石破政権が“倒閣封じ”を画策「前門の玉木」「後門の小沢」を退ける3つの掃討作戦



危機的状況打破には数の力が必須

当然のことながら、石破首相と森山裕幹事長をはじめとする自民党執行部が、この危機的状況を理解していないわけがない。

「とにかく、数を集めるしかないですね。玉木の言いなりになるわけにはいきません」

11月7日、党本部の総裁室で首相と向き合った森山氏は、多数派工作の必要性を説いた。

先の党関係者によると、首相は極度の睡眠不足で顔色はドス黒く、腕組みをして時々上を向きながら森山氏の話に耳を傾けていた。

首相が「他に誰か動ける人がいるのか」と聞くと森山氏は、玉木氏と財務省で同期だった木原誠二前幹事長代理(現・選対委員長)と、国民民主出身の矢田稚子首相補佐官の名前を挙げた。

首相は政界工作が不得手ということもあり、「お任せする」とだけ言って、森山氏に工作を託した。

少数与党の窮地から脱する政界工作の手段として、首相と森山氏の念頭にあったのは「3つの選択肢」だった。

1つ目が、主義・主張が近い国民民主党を対象に、政策ごとに連携する「部分連合」の構築だ。

次が、保守系の無所属議員に働き掛けての勢力拡大。そして、3つ目が、維新の一部勢力の引き込みだった。

部分連合は、先に記したように亀井氏の仲介もあり、当面は「自公国」の枠組みの形で進めるメドがつきつつあった。

実際、11日の首相指名選挙では、野田氏との決選投票で国民民主党が「玉木雄一郎」と書いてすべて無効となったため、石破首相が第103代首相に選出され、第2次石破内閣を発足させることができた。