自民党総裁選ついに最終盤 小泉進次郎首相誕生なら「10月27日総選挙」へ

小泉氏が敵対する麻生氏に急接近

だが、首相周辺の中堅議員によると、岸田首相は確執があるとされる菅氏と気脈を通じているそうだ。

「首相は8月下旬に、菅氏に電話して『うちから5人送ります』と伝えている。それで小泉陣営に入ったのが、村井、小林両氏や辻清人衆院議員らだ。首相側近の木原誠二幹事長代理が当初、齋藤健経産相の陣営にいたのは、目立たないようにするためのダミーでしかない。今は小泉陣営に入って、首相に日々情報を上げている」

実際、小泉氏が村井、小林両氏らと練り上げた“解雇規制の見直し”などの主要政策は、岸田政権で進めた“働き方改革”や“新しい資本主義”政策の延長線上にある。そもそも、これらをまとめたのが村井、小林両氏と木原氏らなのだから、政策の親和性は高い。

しかも、高市氏が安倍政権の経済政策“アベノミクス”への回帰を訴え、岸田政権の政策の路線転換を図ろうとしている以上、1回目の投票で首相が高市氏に乗る可能性はほとんどない。仮に高市氏が決選投票に残ったとしても同じだ。

首相周辺の中堅議員は「麻生さんがどんなに頭を下げても、高市さんに乗る選択はあり得ない。麻生さんが、高市さんに持論を撤回するよう説得できれば別だが、それはないだろう」と指摘する。

そのためか、総裁選終盤には思いもよらない動きが起きているのだ。

「実は、石破氏や高市氏と競り合いになっている小泉氏が24日に都内で麻生氏と面会。『助けてください』と総裁選への支援を求めたという。ご存じの通り、小泉氏を全面支援する菅元首相と麻生氏は、キングメーカーを争う犬猿の仲。この小泉氏の動きが独断か、菅氏の承諾を得ているのかは不明だが、なりふり構わない票固めと話題を呼んでいるのです」(政治部記者)

9月27日の投開票では前評判で先行した小泉氏が議員票を固めて逃げ切るのか、地方票を集めて石破氏が逆転劇を演じるのか。それとも高市氏が、決選投票で想定される“小泉・石破連合”を打ち破って、初の女性首相に上り詰めるのか。

いずれにせよ、誰がなっても衆院解散・総選挙という国民の審判が待ち受けており、それを乗り切れるかは見通せない状況が続きそうだ。

「週刊実話」10月10日号より