自民党総裁選ついに最終盤 小泉進次郎首相誕生なら「10月27日総選挙」へ

気脈を通じる岸田首相と菅氏

「進次郎、経済・財政、安全保障、社会保障の基本政策はベテランにやらせろ。林芳正官房長官や加藤勝信元官房長官、上川陽子外相、茂木敏充幹事長を使え。中堅・若手には『要職に起用する』と言え。特に旧安倍派の若手には必ず言え」 

中堅議員は、菅氏がこう話すのを聞いたという。しかし、こうした小泉新総裁誕生の流れに抗しようとしている大物がいる。他でもない麻生太郎副総裁だ。

麻生氏にとって、決選投票に進む2人が小泉氏、石破茂元幹事長になるのは「最悪の選択」(麻生派若手議員)。小泉氏を支持する菅氏とはキングメーカーの地位を争う関係であり、石破氏には、かつて麻生内閣の閣僚でありながら退陣を迫られた遺恨があるからだ。

そのため、麻生氏は石破、林両陣営以外の7陣営に麻生派から推薦人を出すことで情報収集を徹底。小泉、石破両氏以外の候補を決選投票に行かせることができないか腐心してきた。 

このタイミングで浮上してきたのが高市氏だ。多くの世論調査で、小泉、石破両氏に絡む数字を出しており、勢いを維持できれば1回目の投票(国会議員票368票、党員・党友票368票の計736票)で、決選投票に進める上位2人に入れる可能性が高まってくる。

実際、麻生氏が日々上がってくる情報を基に重ねた選挙戦後半での票読みでは、小泉氏が国会議員80票と党員・党友70票で計150票、石破氏が35票と100票の計135票。高市氏は30票と90票で計120票と、あと15票が乗れば2位に食い込めそうな結果になったという。

先の若手議員によると、選挙戦中盤以降、麻生氏は小林鷹之前経済安保担当相の陣営に高市陣営への合流を打診。麻生派候補である河野太郎デジタル相や、茂木幹事長にはリタイヤを投げかけた。

「全員から色よい返事は得られていない」(若手議員)中で、麻生氏は態度を明らかにしていない岸田首相に期待を寄せているという。