「食べ物を他の物に例えるのは御法度やと思ってた」食レポのパイオニア・彦摩呂が名セリフ誕生秘話を明かす

名セリフの誕生秘話 

彦摩呂 (C)週刊実話Web
――食に対するこだわりは?

彦摩呂「全然なかったですよ。食べるのは好きだし自分でも作りますけど、こだわるとかグルメという感覚はなかったですね。ただ、食というのは食欲という欲ですから、そこには共感か違和感しかないんですよ。だから、ものすごい気を使いました。
原点にあるのは、おかんの煮込みハンバーグ。やっぱり味覚って記憶に刻まれていくもんやと思います。お腹を満たすだけじゃなくて、気持ちや心を豊かにしていくというかね。 でも、食レポを10年もすると、コメントで悩み始めるんですよ。合格点ではあるんだけども、自分らしい面白味がないと。
パリパリ、サクサク、プリプリ、ジューシー…ほとんど出尽くしてるでしょ? ちょうど石塚のお兄ちゃん(石塚英彦)の『まいうー』も出てきた頃で、僕には何かオリジナルはないのかと悩み続けてました。そんなときに、北海道ロケで海鮮丼が出てきたんです。物撮りを横から見たときに、刺身がものすごい新鮮で光って見えて、これは『海の宝石箱』やと」

――ほとんどアドリブですね。

彦摩呂「自分の中では、食べ物を他の物に例えるのは御法度やと思ってたから、『いらんこと言うたな』と。でも、オンエアを見たら字幕スーパー付きで使ってくれたんですよ。それから食べ物をいろんなものに例えて、クスッと笑って共感してもらえるように。回転寿司で『お寿司のガールズコレクションや~』とか、ご飯見えへんウニ丼で『どんぶり界の三丁目の夕日や~』とかね(笑)」

――見ている私たちも、グルメ番組が楽しくなりましたよ。

彦摩呂「食べ物を楽しむという風潮が生まれて、良かったと思います。秋元康さんのラジオ番組に呼ばれたときに、『まさか物を食べたコメントがエンタメになるとは思わなかった。これは彦がパイオニアだね』と褒めてくださって、うれしかったですね」

――大食いバラエティー番組にも出られてますが、ジャンルは違いますよね?

彦摩呂「僕らは体が大きいですけど、量はそんなに食べられないです。内山君(内山信二)もご飯をかき込んで口元にご飯をくっつける『わんぱく食い』という芸があるんですけど、『横から見ると入ってへんがな』言うて(笑)」
彦摩呂 (C)週刊実話Web