史上最年少“小泉進次郎首相”誕生へ 自民党総裁選出馬に向けて菅義偉&森喜朗「元首相コンビ」が暗躍

菅氏が握るもう一つのカード

「党内からは『政界を引退し、裏金問題で散々迷惑をかけておきながら、進次郎氏を使ってまで権力を握ろうとする貪欲さには呆れ返る』との声がしきりだが、菅氏には策があるとみられている。自らが描くシナリオに沿って進次郎氏を当選させることで影響力を強め、当選後の森氏の影響力を排除することを考えているといわれているのです」(菅氏の周辺議員)

この議員によれば、進次郎氏当選のカギは「菅氏が握るもう一つのカード、石破茂元幹事長の存在にほかならない」という。

現在、石破氏は出馬に必要な20人の推薦人を集めるのに苦戦しているが、それでも菅氏は何としてでも石破氏を出馬させようと考えているとされる。それはなぜか。

「総裁選には高市早苗経済安保担当相や小林前経済安保相、河野太郎デジタル相ら数多くの議員の立候補が予想されます。ゆえに1回の投票では決まらず、決選投票になる可能性が高い。進次郎氏が決選投票まで生き残ったら、最後は菅氏の仲介で『石破票』を上乗せし、進次郎氏を勝利に導こうとしているのです」(政治部デスク)

ちなみに、さかのぼること3年前の総裁選では、安倍晋三元首相が高市氏を支援し票を集めた。

最終的に岸田氏と河野氏の決選投票となり、安倍氏の計らいで「高市票」が岸田氏側に流れ岸田総裁が誕生したが、菅氏はこのときと同じケースを想定。

「石破票」を上積みして進次郎氏に恩を売り、自らの影響力保持と森氏の排除を狙っているようだ。

おかげで、石破氏に対してもそれなりのポストを用意するとみられている。

「最有力なのはカネ、人事、選挙を取り仕切る幹事長ポストだ。石破氏は安倍総裁のときに幹事長に就任したものの、安倍氏は政敵である石破氏に党運営を好きにさせなかった。また、支持率が低迷中の岸田首相は茂木敏充幹事長を交代させ、石破氏を起用することを考えた時期もあった。打診を受けた石破氏は結局断ったものの、幹事長ポストを欲しているのは疑いようのない事実です」(同)

また、俗に「小石河連合」と呼ばれる間柄だけに、総裁の座に就いた暁には進次郎氏も党運営を石破氏に任せることには異論がないはず。

ただそうした策略を巡らす一方で、菅氏が頭を悩ませているのが進次郎首相の女房役となる官房長官ポストだといわれている。