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「目標は“打倒ユリ・ゲラー”だった」ハンドパワー誕生秘話を明かす【Mr.マリック インタビュー】

Mr.マリック
Mr.マリック (C)週刊実話Web

平成初期に超魔術ブームを巻き起こしたMr.マリックに、突撃インタビューを敢行した。ブームから35年以上たった今も業界の最前線で活躍。7月28日(日)には「かえってきたMr.マリック超魔術ショー&ディナー」を広島の福山ニューキャッスルホテルで開催するなど、テレビやイベントなどにも引っ張りだこな人気マジシャンの素顔をご覧あれ。

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――超魔術という言葉ができて35年だそうですね。

Mr.マリック(以下、マリック)「ちょうど『11PM』(日本テレビ系)で話題になって、ゴールデン枠の出演が決まったんですが、いつまでも『超不思議現象』でお茶を濁すわけにもいかないですからね。
それにゴールデンに行ったら、それなりのネーミングで説明しないといけない。『超霊力』『超霊術』とか、いろいろ案を出し合いましたよ」

Mr.マリック
Mr.マリック (C)週刊実話Web

――1989年2月に『木曜スペシャル』(日本テレビ系)で「神か悪魔か超能力かMr.マリック超魔術」が放送されました。

マリック「やはり私の原点は魔術ですから。皆さんが知っている魔術を超えるマジックという意味で『スーパーマジック』。それを日本語にして『超魔術』になったわけです。似ていますが、それは超能力とは別物という意味でもあります。

そもそも私が目指していたのは“打倒ユリ・ゲラー”だったんですよ。日本テレビのその枠は、1974年にユリ・ゲラーのスプーン曲げを放送した枠なんです」

「夢のあるものを見せるのがマジシャンですから」

――超能力と超魔術の戦いだったんですね。

マリック「実は『神か悪魔か超能力か』は、ユリ・ゲラーの番組で使っていたキャッチフレーズなんです。なぜ、私が打倒ユリ・ゲラーを掲げたのか。それは、彼がマジシャンとは違うスタンスで不思議な現象を見せて、一大ブームを作ったからです。それに『あなたもできる』なんてアプローチは、マジシャンには思いもよらないものでした。

本来、超能力なんて実験室でやらなきゃいけないものでしょう。そういう次元のものをテレビに持ってきて、エンターテインメントにしたわけです。我々マジシャンは不思議なことの専門家なのに、彼のスプーン曲げ一つにやられてしまった」

――超能力が本物で、マジシャンが偽物みたいになりますよね。

マリック「ユリ・ゲラーもマジシャンには見えませんからね。完璧に日本中がハマったんですよ。だから、彼と同じステージに立って、彼のように私を超能力者のように思ってもらう必要があったんです。そうしないと、超能力の洗脳は永遠に解けないと。

トリックがあろうがなかろうが関係なく、夢のあるものを見せるのがマジシャンですから。まずトリックのことを忘れさせるような、強烈なインパクトがどうしても必要だったんですよ」