Mr.マリック (C)週刊実話Web
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「目標は“打倒ユリ・ゲラー”だった」ハンドパワー誕生秘話を明かす【Mr.マリック インタビュー】


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――もしやすごい成績を残されたのでは?


マリック「1日の売り上げの記録は、まだ破られてないんじゃないかな。時代もよかったですし、珍しかったんでしょうね。おもちゃメーカーのテンヨーさんが、子供向けの手品グッズが8個入った手品セットを作ったんですが、これが売れましたね。

マジックは希少価値が大事だから、本当はプラスチックなんかで作っちゃいけないんだけど、おもちゃにしたのがよかったんですよ。これがバカ売れして、肝心の手品ショップの売り上げを抜いちゃった(笑)。あとはシーモンキーも売れましたね」


――懐かしい! 謎の生き物まで売ってたとは!


マリック「東京駅の大丸デパートで販売してたんですが、珍しい東京土産を探していた地方の方が『孫が喜ぶよ』なんて言って、よく買ってくれたんですよ。その代わりリピーターはいませんでしたが(笑)」

「ハンドパワー」誕生秘話

――実演販売は、観客の心をつかむ技術にマジックと近いものがありますね。もしかして、そこで「きてます」が生まれたんですか?マリック「それはホテルでのマジックショーですね。バブルが終わりかけの頃にプロになろうと決めて、ホテルパシフィック東京に飛び込みでお願いして、最上階の夜景が見えるラウンジでマジックショーをやらせてもらったんです。ノーギャラでね。

生バンドの演奏と入れ替わりにステージに行ったら、お客さんが誰もいないんですよ。みんな、窓の外を眺めてる。夜景との戦いですよ(笑)。仕方がないから、見たいというお客さんの注文を受けて、テーブルで個別にマジックを見せるスタイルにしました」


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――そのときは、どのようなマジックを披露されましたか?


マリック「お札を使ったり、指輪を浮かせたり、ワイングラスなど、テーブルの上にあるものだけでやるんですよ。初めて見るマジックばかりだったでしょうから、拍手がないんですよ。人間驚くとね、悲鳴のような声を上げて固まるんですね。それであちこちのテーブルから注文が来て、1つずつ回りました。 これはテーブルマジックの一種でテーブルホッピングというやり方なんですが、私の場合はやむなくそうなったんですよ。そこでお客さんとの会話から生まれたのが、『きてます』と『ハンドパワー』だったんです」