スポーツ

世界の野球勢力地図が塗り替わる「中東アジアリーグ」設立構想 日本プロ野球界が“MLBの草刈り場”から反撃開始

Alan Tan Photography
(画像)Alan Tan Photography/Shutterstock

3月6日、スポーツ紙の片隅に「サウジアラビアに初のプロ野球チーム誕生」という記事が載った。地味な扱いだったが、世界の野球勢力地図を塗り替える重要なヒントが隠されている。

オイルマネーで資金が潤沢な中東では、2022年7月に初のプロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド(BU)」が発足した。中東湾岸諸国と南アジア地域を領域として活動。開幕は11月で日本と真逆の日程だ。

【関連】野球の世界的普及は絶望的? 侍ジャパン“完全試合”でヨーロッパ代表に完勝も野球ファンは意気消沈 ほか

23年はアラブ首長国連邦(UAE)の2チーム(アブダビ・ファルコンズ、ドバイ・ウルブズ)とインド(ムンバイ・コブラズ)、パキスタン(カラチ・モナークス)の4チームで構成したが、今季からサウジアラビアのチームが新規参戦することが決まり、他国も含め8チームに拡大するという。

サウジアラビアが日本プロ野球選手の獲得へ

「石油頼みの国家運営からの脱却を図るサウジアラビアは、スポーツ王国を目指している。昨年は日本のソフトバンクも投資する数十兆円規模の公共投資ファンド『サウジビジョン2030』でサッカーのサウジ・プロ・リーグの4クラブを買収。さらに、世界のトッププレーヤーを札束で買い漁って、世界中をびっくり仰天させている」(スポーツ紙記者)

中東ではW杯カタール大会を機にサッカーに力を入れ、アルナスルがポルトガル代表C・ロナウドを総年俸約281億円で獲得すれば、アルイテハドはフランス代表ベンゼマを同151億円で獲得。さらに、アルヒラルがブラジル代表ネイマールを同254億円、アルアハリがセネガル代表メンディを同30億円で獲得といった具合だ。

「サウジアラビアは野球にも注力し、日本のプロ野球選手の獲得を計画している。狙いは、MLBに対抗するもう一つのスーパーリーグ設立。ずばり中東アジアリーグです」(同・記者)