“1日1万人”で東京五輪は中止!? 新型コロナ変異ウイルス波状攻撃

第3波の本格流行――。11月18日、国内で新型コロナウイルスの新規感染者が2201人確認され、1日の発表としては初めて2000人を超えて過去最多となった。

「東京都ではこの日、新たに493人が感染していることを確認したと発表。都内で1日に確認される人数としては、8月1日の472人を上回って最多となりました」(全国紙記者)

小池百合子東京都知事は「強い危機感を持たなければならない」としながら、「検査数が8600くらいいっている。検査をすることで無症状の人も陽性だと分かってくる。今後、陽性者数は増えると思うが、基本は重症者数をいかに抑えるかだ」とも述べた。

何はともあれ、コロナ第3波感染拡大が危惧される中、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が11月15日に来日。目的は、新型コロナの影響で2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの準備視察だ。

バッハ会長は菅首相との会談に臨むにあたり、前もって「来夏の大会開催に自信を持っている。菅首相との話し合いでは中止は議論しない」と語っていた。しかし、この発言を額面通りに受け取るマスコミ関係者は少数派だ。というのも、現在、ヨーロッパのロンドン、パリなどはロックダウン(都市封鎖)中だからだ。

第3波のコロナ発生源について、本誌は前号で取り上げている。

IOCバッハ会長と菅首相の会談はアリバイ工作!?

「今年6月、スペイン北東部の農業従事者が感染し、それが全土に広がった。バカンスに訪れていたヨーロッパ各国の大勢の人々がウイルスに感染して帰国、ヨーロッパ中に拡大したと考えられる」(医師で作家の外岡立人氏)

つまり、スペイン発で欧州全体が危機的状況に陥っており、楽観視した東京五輪開催の議論などできるはずがないのだ。

「バッハ会長がWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長から、深刻な世界的感染拡大を聞いていないわけがない。菅首相とは中止について議論しないという声明は、あらゆる可能性を試みたが、ダメだったというアリバイ工作のポーズではないか」(スポーツ紙五輪担当記者)

半面、コロナ不況が直撃する経済界は、景気回復の起爆剤として東京五輪開催を望んでいるだろう。

「NHKの放送を見ていても、来年の大会のためにパラリンピックの選手がこんなに頑張っているんだと、視聴者が感じ取れるような映像が流れている。どこか選手を隠れ蓑にしてオリンピック・パラリンピックを開催したいNHKの姿勢を感じますね」(外岡氏)