社会

新型コロナ“第3波”が荒れ狂う…驚異の「変異ウイルス」

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ついに日本へ新型コロナウイルスの第3波が到達した――。

11月5日、北海道全体の新型コロナ新規感染者が最多の119人を記録し、初めて100人を超えた。中でも、札幌市は最多の93人。鈴木直道知事と札幌市の秋元克広市長は緊急会談を行い、繁華街・ススキノの飲食店などに営業時間短縮を要請することで一致した。

医師で作家の外岡立人氏が言う。

「北海道で1日100人を超える感染者が出たとなると、このウイルスは欧州の変異株によるものと判断せざるを得ない。8月から西欧で大流行を起こし始めた変異株です。すでにイギリス、フランス、イタリアなどではロックダウン(都市封鎖)が行われています。このウイルスは第1波よりも数倍強い感染力を持ちます」

このまま全国で1日1000人以上の新規感染者が続けば、医療現場の崩壊を招く恐れも出てくる。しかも、世はGoToキャンペーン真っ盛り。移動や人と接触する機会が増え、感染は瞬く間に全国的な広がりを見せるに違いない。

「ヨーロッパの様々なデータを見ると、致死率が1%ということは、100人感染者が出ると死者は1人です。1万人だと100人になる。実際、9月末から感染者数が増えだしたスイスでは、現在、1日に1万人前後の感染者数で、死者発生数も毎日40~100人となっている。ロックダウンされたフランスでは、日々の感染者数が2万~4万人(第1波の10倍前後)、英国でも2万~2万5000人(第1波の5倍前後)で、ともに致死率は1%前後です。これだけの人が亡くなると、日本ではパニックに陥るかもしれない」(外岡氏)

変異株はスペインで発生か…

それにしても、新型コロナの変異株はどこで、どのように発生し、拡大していったのか。

「今年6月、スペイン北東部の農業従事者が感染し村中に広がり、スペイン全土へ行き渡った。夏になると、スペインには各国から旅行者がバカンスに訪れる。6月~8月に入出国を緩和→大勢の人々がスペインに入国→ウイルスに感染して帰国→ヨーロッパ中に拡大したと考えられます。私の分析では、北海道では9月頃から感染者が増えている。スペインからダイレクトに、または、ヨーロッパ各国経由で入って来たものと考えられます」(外岡氏)

コロナウイルスには様々な種類があるが、遠からずこの変異株が世界を席巻するとみられている。

「すでに東欧のポーランド、そして、ロシアまで入った模様です。南に行くと、ギリシャまで到達。いずれ、中東、アフリカまで広がっていく。もちろん、北米、中米、南米へと拡散していくでしょう」(外岡氏)