高市首相に迫る「年末の重大決断」衆院定数削減が連立崩壊の火種に

「三度目の正直」を阻む比例45減

三度目の正直になるのか、今国会は待ったなしの正念場。ところが、同法案の「衆院議員の比例区のみ45削減」がネックになっているという。まず野党からの代表的な反対意見は「定数削減で比例のみ45削減となれば、得するのは自民と維新だけ」「野党の民主改革の会や国民民主党などは圧倒的に比例の比重が大きい。参政党、チームみらいに至っては全員が比例選出。ダメージは計り知れない」「幅広い、多様な国民の声が国会に届きにくくなる。民主主義ではなく独裁国家になってしまう恐れがある」などといったものだ。

衆院議員の定数は465。内訳は小選挙区289、比例区176だ。衆院比例45削減となると、比例定数は131となり、少数野党は存続問題に直結してくるだけに、オール野党で衆院議員定数削減案に反対の姿勢を示している。

総裁選再選へ「麻生頼み」の人事

そもそも、高市氏は9月に行った党役員人事、内閣改造からして、来秋の総裁選再選を視野に入れているとみられている。麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長、小林鷹之政調会長、茂木敏充外相、小泉進次郎防衛相らを留任させ、麻生氏と距離を置く林芳正前総務相を再任しなかったからだ。

「総裁選再選には、自民党で唯一の派閥(60人)を率いる麻生氏の支援が欠かせないと判断したようだ。そして、ライバルになりそうな小泉氏、小林氏らも閣内、役員に留め立候補の芽を摘んだ。その上で来年4月スタート予定の消費税減税法案をどう今国会で成立させるかシャカリキになっている」(政界関係者)

2月の衆院選で自民党は316議席を獲得し、歴史的大勝を収めた。しかし、参院は過半数に4議席足りず、円満に消費税減税法案を成立させるには野党の協力は欠かせない。

「与野党では消費税減税と議員定数削減で激しい綱引きが始まっている。つまり、高市氏は消費税か定数削減か、2つに1つの選択を迫られる。2つともというのは至難の業」(国対関係者)

自民党幹部が続ける。

「維新がこだわる定数削減数が比例で45ならどうなるか。自民でも2月の衆院選で当選した比例議席67人は、次の選挙で誰もが危うい。重複立候補で保険をかけている小選挙区議員も万が一のことを思えば、45議席減で崖っぷちに追い込まれる。まさに“予算カット”発言で追及されている簗和生農水相も復活比例組だ。選挙基盤のない、または弱い比例選出議員は今の臨時国会でも法案を先送りしてほしいのが本音」

それでも、高市氏が消費税とセットで定数削減法案を強行したなら、自民党内で反高市の動きが加速する可能性もある。