「自分たちは正しい」浜岡原発データ不正…中部電力トップ3人辞任の裏にあった“独自の正当化理論”

「独自の正当化理論」が生んだ空気

特別調査委員会は、不正につながった社内の体質を「独自の正当化理論」という言葉で表現した。

報告書によれば、中部電力の一部には、原発再稼働という目的の重要性と、規則やルールの順守とを「独自の合理性」で天秤にかける傾向があった。一部には浜岡原発の安全性に問題はないという前提に立ち、早期再稼働を優先すべきだとの考えに傾いていったという。

再稼働に向けた作業を妨げる言動は「独自の正義感」で排除され、異を唱える社内の意見にも、早期再稼働を理由に反発していたとされる。

特別調査委員会は「不適切だと認識しつつも何らかの事情でやむにやまれず実行するという事例と比べ、行為者が『自分たちは正しいことをしている』という考え方により、確信ひいては信念すらもって不適切な行為を実行に移している可能性があるという点で深い問題がある」とした。

規制委についても、「保守的な指摘をされた」「審査官は専門家ほど地震動に精通していない」「巨大地震が発生する可能性の高い浜岡原子力発電所について、他社よりも非常に厳しく審査されていた」などと、その指摘や要請を不合理で、議論が困難だとみる認識があったという。こうした見方が、不正を正当化する空気を醸成していったとされる。

なお、規制委の山中伸介委員長は今年1月、この問題を「明らかに捏造」と厳しく批判していた。一方、外部の特別調査委員会は、本件を単純に「改ざん」「捏造」「データ不正」などの言葉だけで説明することは妥当ではないとしており、複雑な経緯を指摘している。