「みなさまのNHK」はどこへ…性被害職員の異動に3年かかった“前例踏襲”の闇【NHK女子アナ戦国時代5】

現場では何が起きているのか!?

デジタル化の津波が押し寄せる中、公共放送のNHKは番組制作の質・量で民放局を圧倒。若手からOGまで女子アナも注目の的だ。だがその女子アナたちに“異変”が起きている。巨大組織が抱える“病巣”と“近未来”をクローズアップした(6回中の5回)

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NHKが公表した性被害とPTSD

今年8月5日、NHKは過去に自局の女性職員が番組出演者から性被害を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症していた事実を公表し、謝罪に追い込まれた。

“前例踏襲”のルールを盾に

問題の核心は被害そのものだけでなく、その後の組織の隠蔽体質と冷酷な対応だった。外部調査委員会の報告書によると、番組制作者や出演者との懇親会後に性加害を受けた職員が休職し、その後、別の部署での復職を希望したにもかかわらず、NHK側は「原則として元の職場に戻るべき」という硬直化した前例踏襲のルールを盾に、被害から3年余りが経つまで希望の異動を認めなかったのだ。

「主治医や産業医の切実な意見すら完全に無視され、担当部局や経営層へ迅速に情報が上がることもありませんでした。最終的に労働組合が立ち上がり、外部調査委員会が設置される事態になるまで、組織として全く機能していなかったのです」(全国紙社会部記者)

社内処分は“厳重注意”止まり

さらに呆れるのは、この重大な人権侵害に対する社内処分の甘さだ。担当部局に情報が上がらなかった責任については、人事局など職員5人が「厳重注意」を受けたにとどまっている。

「経営委員長からも『マネジメントがきちんとできていない組織要素が(NHKに)あるということだ』と指摘されました。だが、根底にあるのは事なかれ主義と内向きな官僚体質です。職員の心身の安全よりも組織のメンツを優先する企業風土が、白日の下に晒された形です」(同)

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