トランプが秋波を送る米朝首脳会談は北朝鮮の言いなりか 拉致問題置き去りの懸念

トランプの足元を見る正恩氏

一方のトランプ氏はイラン攻撃に足を取られ、共和党も11月の中間選挙で大敗する可能性がある。米国は完全に足元を見透かされているのだ。

「北朝鮮指導部は、最大4カ所とされるウラン濃縮施設、そして、これは自称にすぎませんが、米本土を攻撃可能なものを含む大量の破壊ミサイル、さらに駆逐艦、水中無人機、建造中の原子力潜水艦など、拡大を続けるミサイルの海上発射能力などを決して放棄しない姿勢を繰り返し示している。正恩氏は、非核保有国のイランが苦境に陥っている現実を見るにつけ、自国を攻撃から守る核戦力を整備してきたことが正しかった、とさらなる自信をつけた。これは米国の交渉担当者にとって大きなジレンマです」(前出・外交関係者)

「核57発」発言の真意と置き去りになる拉致問題

実際の交渉で、トランプ氏は、米本土を脅かすICBM(大陸間弾道弾)は制限する一方で、韓国と日本が射程圏内の短距離・中距離の核ミサイルは事実上、そのまま残すと言い出すかもしれない。

「この条件なら米国民に納得の回答を得ることが可能です。北朝鮮が57発の強力な核兵器を保有しているというトランプ氏の発言の真意は、『俺が米国への攻撃を止めてやる』という得点稼ぎの布石です」(同)

米国にとっての核リスク低減は、日韓にとっては北朝鮮の核脅威の恒久化になりかねない。今後、トランプ氏が「レガシー」(政治的遺産)とノーベル平和賞に目がくらみ、対北朝鮮制裁解除、朝鮮戦争終戦協定締結、在韓米軍縮小、米朝国交正常化へと突き進めば、日本にとって悪夢となる。

重要課題である「拉致被害問題」が置き去りにされていくのは目に見えている。

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