「1日10億円」の特殊詐欺被害 警察庁が仕掛ける「スマホ遠隔解析」の攻防戦

歯止めとなるか!?

警察が、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)のスマートフォンに遠隔でアクセスし、メッセージや画像を取得・解析する捜査手法を導入する見通しとなった。トクリュウは強盗や詐欺の犯行指示や闇バイトのリクルートなどに秘匿性の高い通信アプリを使っており、実態解明や犯罪抑止の壁になっていた。遠隔解析が可能になることで事前に犯行を察知し、被害を食い止める全容とは――。

「特殊詐欺3257億円」過去最悪更新

トクリュウなどによる特殊詐欺の被害額は昨年、前年の1.6倍の約3257億円と急増し、過去最悪を更新した。さらに今年上半期の被害額は前年同期の1.5倍の約1816億円で前年を大きく上回っている。1日あたり約10億円の被害が発生していることになる。

南関東18件の強盗、高校生実行役も

トクリュウによる強盗も後を絶たない。2024年には南関東1都3県で2カ月以上にわたり18件の強盗事件が発生。このうち1件で被害者が殺害され、12件で被害者が負傷した。今年5月には栃木県内で高校生を実行役とする強盗殺人事件が起きている。

トクリュウは、闇バイトのリクルートや、詐欺や強盗の標的を選定したり犯行の具体的な計画を立てたりする案件屋や指示役、実行犯などとのやり取り、特殊詐欺の被害者への連絡用などにスマホを使用。犯罪拠点において、被害者への連絡用のスマホが84台差し押さえられた例や、特殊詐欺の実行犯のリクルーターが12台のスマホを所持していた例もあった。

犯罪拠点で押収したスマホやタブレットには、ターゲットとなる人物の氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、家族構成、学歴、所得、銀行口座などが記録された闇名簿のエクセルファイルや画像ファイルが記録されていた例があるなど、トクリュウのスマホの中身の把握が急務となっていた。

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