「便箋4枚に熱い想いをしたためました」坂本冬美が明かす桑田佳祐への直談判と“夢の楽曲”
『NHK紅白歌合戦』に通算37回出場した坂本冬美。順風満帆に見える歌手人生だが、休業や「もう一度歌えるのか」という葛藤もあったという。復活を後押しした出会い、桑田佳祐との夢の仕事、デビュー40周年の新曲──。波瀾万丈の歌手人生を語り尽くす!
順風満帆の陰にあった休業と復活への葛藤
――40周年を迎えられたご心境はいかがですか?
坂本 なんて幸せな歌手人生を送らせていただいたんだろうと思います。自慢のように聞こえるかもしれませんけど、デビュー2年目から『NHK紅白歌合戦』に出させていただき、3年目から全国ツアーを始め、5年目からは座長公演を始めさせていただいて今に至ります。日の当たる道を歩ませていただいて本当に幸せだと思います。
――デビュー曲の『あばれ太鼓』(1987年)は大ヒットしました。
坂本「演歌歌手はヒット曲が出るまで時間がかかる」と覚悟して故郷の和歌山県から上京したのですが、幸せなことにデビュー曲から皆様に応援していただくことができました。新人としては上出来のデビューだったと思います。
――上京後、デビューまではどのような生活を?
坂本 作曲家・猪俣公章先生のお宅で内弟子として生活しました。先生の運転手や付き人のようなことをやらせていただきました。内弟子としての8カ月間に、猪俣先生のお供で森進一さんのレコーディングや、テレビの収録スタジオで美空ひばりさん生の歌声を聞かせていただいたりという経験ができました。
――まるでシンデレラストーリーのようです。
坂本 本当に恵まれた環境でした。所属したレコード会社・東芝EMIで大型新人という形で出させていただいたのですが、その頃の東芝EMIはユーミン(松任谷由実)さんや忌野清志郎さんといった錚々たるアーティストがいらっしゃいました。でも、演歌については経験が少ないレコード会社だったんです。演歌班のスタッフは手探りで、一緒にキャンペーンをやりながら一丸となってヒット曲を出そうと奮闘していただきました。猪俣先生との出会いがあり、レコード会社のスタッフの皆さんとの出会い、そして曲との出会いに恵まれた40年だったと思います。
――紅白歌合戦には計37回出場されています。紅白出演の思い出といえば?
坂本 時代がどんどん変わっている中で、私の代表曲のひとつ『夜桜お七』(’94年)は紅白歌合戦で計10回も歌わせていただいています。この曲を大きくしてくれたのは、紅白だと思っています。紅白で歌わせていただくことによって、若い世代の方に『夜桜お七』を知ってくださる方が出てくるわけですから。今年3月に新宿でフリーライブをしたんです。そのとき、客席の外にいる学生服を着た若い子たちの声が聞こえたんです。『紅白に出てる人だよね』って。名前まではパッと出てこなくても、1年に一度の紅白でしか見ない私を知ってくれていることが、すごくうれしかったです。
――ご活躍の一方で、ご体調を崩されて約1年間の休業もありました。
坂本 休業している間に一度歌から離れましたけども、「やはり自分には歌しかない」と見切り発車的に復帰した際は「戻って大丈夫なのかな」「ファンの皆様は待っていてくれるんだろうか」という不安や葛藤があったんです。この気持ちが吹っ切れたのは『また君に恋してる』(’09年)と出会ったことです。いい意味で開き直って、「歌の道を精一杯全うしよう」と思いました。
――ポップスにも活動を広げることになったのは…。
坂本 そのきっかけも『また君』です。ビリー・バンバンさんのカバーであるこの曲のヒットがきっかけでポップスカバーアルバムを出すようになりました。
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