秋場所目前! 大の里は馬力不足・豊昇龍は休場濃厚…稽古総見で見えた横綱・大関陣の課題と明暗

チケット大相撲公式サイトより

1カ月近くに及んだ夏巡業も終わり、力士たちはいよいよ9月13日から始まる大相撲秋場所(東京・両国国技館)に向けて最後の仕上げに入っている。4日には横綱審議委員会(横審)による稽古総見も行われ、それぞれ宿題を抱えて参加した夏巡業の成果がどう出るか、改めてチェックした。

夏巡業も休んだ横綱豊昇龍(27)は、先場所後、右膝にメスを入れたことを公表し、秋場所の出場は絶望的。4日の稽古総見にも右膝にサポーターを装着して顔を出したが、相撲を取ることはなく、四股やすり足、ダンベルを使った上半身のトレーニングにとどめた。

「相撲を取りたかったけど、医者に『まだ取っちゃいけない』って止められている。ここでケガが悪化したら、もう終わりなので、ちゃんと治していきたい」と、無理はしない姿勢を明言。横審の前で相撲を取らなかったのは本人史上初めてだという。八角理事長(元横綱・北勝海)も「まだまだじゃない。この時期にできないようじゃ、難しいでしょう」と、出場に厳しい見方を示した。

1人横綱・大の里の暗雲…急ピッチ調整から一転して指摘された馬力不足

このため、1人横綱になることが確定的な横綱大の里(26)は、痛めていた左肩の治療のために離脱した日もあったが、巡業終盤、急ピッチで仕上げた。

「打ち上げの4日前、藤凌駕と豪ノ山相手に計10勝1敗。『(故障している)左も使えたし、内容も悪くない』と笑顔でした。秋場所は過去2連覇している験のいい場所。久しぶりの賜杯奪回に手応え十分、という感じでした」(大相撲担当記者)

ただし、4日の稽古総見では様子が少し違った。大関霧島、琴桜、関脇熱海富士を相手に計15番取って10勝5敗と数字自体は悪くなかったものの、本人は「課題のほうが多いと思う」と控えめなコメント。八角理事長からは「まだまだ腰が高い気がする。一発ではじき飛ばすのがなかった。今場所も苦戦するだろうね」と、名指しで馬力不足を指摘された。巡業千秋楽の「手応え十分」ムードから一転、本番直前になって課題も浮き彫りになった形だ。

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復帰大関の安青錦と綱取り目指す霧島…対照的な調整プロセス

先場所優勝し1場所で大関に復帰した安青錦(22)と2場所連続で綱取りを目指す霧島(30)は、共にマイペースだった。

左足を痛めている安青錦は、「足の状態は良くないけど、(巡業に)出なきゃ気持ちが落ちる」と顔見せが主体。途中から取組には加わったが、相撲を取る稽古は1番もやらなかった。4日の稽古総見でも、左足首痛を抱えたまま相撲は取らずじまい。帰京後、どこまで追い込めるか、これからが勝負になる。

対照的に霧島は逸る気持ちを抑えかねるように夏巡業が始まると、上位陣では真っ先に申し合いを開始した。その後も、体調と相談しながらトップクラスの稽古量を消化。ただ4日の稽古総見では大の里らと16番取って10勝6敗ながら、「粘り強い取り口を見せたものの、前に出る積極性を欠いた」との評も出ている。審判部からは「高いレベルの優勝」を求められているだけに、この先行逃げ切りの稽古がどこまで功を奏すか、本番までもう一段の上積みが必要になりそうだ。

若手の台頭とベテラン高安を襲った暗雲

「新小結の藤ノ川、大関候補に名乗りを上げた熱海富士、実家が熊本地震の被害を受けた義ノ富士、そして伯乃富士、琴栄峰ら若手も連日土俵に上がり、稽古量は十分。秋場所も活躍が期待できそうです」(同)

そんな中、悲劇の主になったのが先場所、7度目の敢闘賞を受賞した幕内最高齢36歳の高安だ。腰痛のため、巡業は途中から合流したが、今度は左脚(左内転筋)を痛め、8月25日から再び巡業を離脱していた。ただ、9月1日の力士会では「感覚的には大丈夫そう」と秋場所出場に前向きな姿勢を示し、四股を踏む稽古も再開している。もっとも、4日の稽古総見には高安、藤凌駕、欧勝馬、藤青雲らとともに欠席しており、本割で万全の相撲が取れるかはなお微妙な状況だ。

夏の宿題は、秋場所の土俵で結果が出る。

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