スポーツドリンクより「飲む点滴」、知らないと損する熱中症対策【酷暑を乗り切るライフハック⑥】

何をいつ飲むかが重要

炎天下での水分補給といえば、とりあえずスポーツドリンクを手に取る人が大半だろう。だがその「とりあえず」が、場合によっては逆効果になることをご存じだろうか。熱中症対策において水分補給は最重要の基本中の基本だが、「何を」「いつ」「どう飲むか」を間違えると、体は思ったように回復しない。夏の飲み物選びには、実は知られざる「正解」がある。

「とりあえずスポーツドリンク」の落とし穴

スポーツドリンクは、水分・ミネラル・糖分・電解質をバランスよく配合した飲料で、運動時のエネルギー補給と水分補給を同時にこなすために設計されている。

しかし塩分(ナトリウム)の含有量は経口補水液の半分以下にとどまる製品が多い。つまり、大量に汗をかいて電解質が急激に失われている状態でスポーツドリンクだけを飲み続けると、糖分は補えても肝心の塩分補給が追いつかない。

また、ひどい脱水状態では糖分が多すぎると吸収速度が落ちるとされており、「飲んでいるのに回復しない」という事態が起こりうる。

「飲む点滴」の正体

そこで本格的な脱水・熱中症の初期対応で頼りになるのが経口補水液だ。水・塩分・糖分を吸収しやすいよう調整された浸透圧飲料で、小腸での吸収効率が極めて高いことから「飲む点滴」とも呼ばれている。

ナトリウム含有量はスポーツドリンクの2倍以上とされており、失われた電解質を素早く補い、体内に水分をしっかり保持させる力がある。ただし、経口補水液はあくまで「脱水症の治療」に特化した特別用途食品として国に許可された製品であり、日常的な予防飲料として常飲するのは適していない。

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スポーツドリンク vs 経口補水液、場面で使い分け

では結局どちらを飲めばいいのか。答えはシンプルで、「運動や発汗時はスポーツドリンク、やばいと感じたら経口補水液」だ。通勤や軽い外出など、まだ体が動く段階ではスポーツドリンクや水+塩分タブレットで十分対応できる。

一方、めまい・立ちくらみ・急激な疲労感など熱中症の初期症状が出始めたと感じたら、迷わず経口補水液に切り替える。その際、適度に冷えた飲料を少量ずつこまめに飲む方が体への吸収効率は上がる。

塩分タブレットと水の「黄金比」

近年人気が高まっている塩分タブレットも、使い方次第で頼れる味方になる。水分と一緒に摂ることで素早く電解質を補給できるうえ、携帯性に優れているため通勤カバンやポケットに忍ばせておける手軽さが支持の理由だ。

ただし過剰摂取は逆に体に負担をかけるため、製品に記載された摂取目安を守ることが鉄則だ。「喉が渇いてから飲む」では遅い。自覚症状が出た時点で体はすでに水分不足が始まっている可能性があり、今年の夏は「先手の水分補給」を習慣にすることが、命を守る最大の一手となりそうだ。

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