酒米不足で日本酒蔵元が倒産危機 「十四代30万円」「一升瓶4万5000円」が示す富裕層嗜好品化の現実

日本酒

日本酒を製造する蔵元が昨年の“令和の米騒動”の煽りを受けて酒米不足に陥り、倒産や休廃業の危機に瀕している。

その一方で、高額な日本酒に人気が集まっていることから、近い将来、日本酒は富裕層の嗜好品になるではないかと懸念されている。

急増するインバウンドの口コミや、2024年に日本酒を含めた伝統的な酒造りが、ユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、日本酒の海外輸出が伸び、和食と並び世界的「SAKE」ブームになっている。

令和の米騒動で酒米から主食用米への転作が一気に進んだ

「日本酒に使われる酒造好適米は栽培が難しく収穫量が少ないため、主食用米に比べてリスクが高い。令和の米騒動で米農家にとっては、酒米より主食用米を作った方が収入も安定するという理由から、主食用米への転作が一気に進んだんです」(酒類ライター)

米農家の転作で、日本酒の原料となる酒米が調達難になり高騰。資本力のない日本酒醸造メーカーが経営危機に追い込まれるのは時間の問題だった。

蔵元1000社の業績悪化が6割超 帝国データバンクが示す危機的実態

帝国データバンクがまとめた清酒製造業に関する調査結果によると、2024年度の日本酒蔵元の約1000社の利益合計は93億円。赤字と減益を合わせた業績悪化の割合は、実に6割を超えているのだ。

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「酒米価格の高騰で一升瓶3000円の日本酒なら、4万5000円近くまで値上げしないと採算が取れない。しかし、値上げすれば消費者離れが起きる。地方酒蔵が最大のジレンマに直面していますよ」(同)

「十四代」30万円・「獺祭」が世界進出

一方、日本酒の『獺祭』を米国やフランスなどで販売してブームに一役買った株式会社獺祭(本社・山口県岩国市)は、純米大吟醸を中心とした日本酒のブランド化に成功した。

「山形県村山市にある高木酒造で製造している、いまだに入手困難な『十四代』は、1本30万円以上で取引されています。青森県の『田酒』、福井県の『黒龍』もフランス産ワイン並みの値段です。中には、100万円以上もする日本酒を製造・販売している酒造会社もあります」(同)

庶民にとって日本酒は安心して酔えなくなった?

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