抹茶ラテが大人気なのになぜ? 日本のお茶屋が廃業ラッシュに陥る「意外な理由」

抹茶ラテ

抹茶スイーツや抹茶ラテなど空前の抹茶ブームが世界的に広がる最中に、中小の製茶業者が経営危機に陥る逆転現象が起きている。

抹茶の原料となる「碾茶」には、通常の緑茶の約2倍にあたるテアニンが含まれている。テアニンにはリラックス効果、集中力向上、睡眠改善、ストレス軽減効果などがあり、当初は若い女性の間で抹茶のアイスクリームやパフェなどのスイーツやラテが流行していた。

「一昨年ごろから、インバウンドの間でも抹茶スイーツや抹茶ラテがブームになり、帰国した外国人の口コミで空前のブームが起こったんです。粉末状の茶の輸出量は10年前の約2.5倍増。お茶輸出額の7割を占めています」(フードライター)

茶農家の高齢化と担い手不足で煎茶が減少

当然、製茶業者が需要のある抹茶生産にシフトするのは市場の原理だ。

「しかし、国内ではここ数年、茶農家の担い手不足や高齢化が進み、茶畑の栽培面積は縮小、緑茶の原料となる煎茶自体の収穫量が減少しているんです」(飲料会社関係者)

さらにコロナ禍以降、家族葬が増加したことで、製茶業者の安定収益源だった「香典返し」に利用される冠婚葬祭向けの茶製品の需要も減少した。

「結果、町のお茶屋さんの廃業も相次いでいます」(冠婚葬祭ライター)

コスト増・ブランド力なし 中小が追い詰められる

売る場所がない、人出不足、最低賃金の上昇、エネルギー価格の高騰などの生産コストの増加も重なり、製品価格の値上げができるブランド力を持たない中小の製茶業者が、経営難に追い込まれているのだ。

福岡県みやま市に本社を置く創業50年の『八女茶業本舗』は2月5日までに事業停止、破産申請の準備に入った。昨年は中小製茶業者の休廃業・解散が13件、破産は1件だった。

日本伝統のお茶ビジネスを守り切れるか。中小製茶業者の頑張りに期待したい。

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