「君ほど指導しがいのない人物は初めて」…ニデック永守重信氏を追い詰めた"パワハラ語録"

転落の始まりはイタリア子会社 2500億円規模の不正会計が明らかに

転落の始まりは'25年6月。ニデックは「イタリアの子会社で未払い関税が発生した」と公表。その後、中国子会社で不適切な会計処理が行われていたことが判明し、同年9月、弁護士と公認会計士による第三者委員会が立ち上がり、同グループ全体を対象とした不正会計の調査が始まった。

3月に公表された第三者委員会の調査結果によると、ニデックグループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正が見つかった。

使用したり販売したりする見込みの極めて低い原材料や製品等に価値があると偽ったり、資産の評価損や費用を計上しなかったりと、会社の実態をよく見せかける手口が横行。「業績目標、特に営業利益目標の達成に向けた強すぎるプレッシャーを背景に行われた不正」(第三者委員会)だった。不正会計に伴う減損損失は2500億円規模に上る可能性がある。

「赤字は悪」が生んだ歪み 永守氏の"実力超え目標"が組織を追い詰めた

「永守体制の下、長年にわたり、『赤字は悪』との考え方が徹底され、業績目標は必達のものと捉えられていた。この業績目標は、永守氏が決めており、各事業部門や子会社に割り当てられていたが、投資家目線の観点で決められた目標で、実力を超えるものだった」(経済担当記者)

永守氏は業績を達成するよう事業部門や子会社を所管するニデック本社の執行役員やCFO(最高財務責任者)、時には事業部門や子会社の幹部に対しても直接、圧力をかけていた。

ある執行役員は、営業利益が未達だった子会社幹部に対し、「徹夜をしてでも営業利益を捻出するように」と無理難題を押し付けていた。

永守氏から強いプレッシャーを受けて追い込まれた部下たちは、会計処理の操作により業績目標を達成するという禁断の果実に手を染めていったわけだ。