【WBCの伝説3】大谷翔平「泥だらけの胴上げ投手」へ!2023年WBC、14年ぶり世界一奪還の全軌跡

「憧れるのをやめましょう」大谷の鼓舞とトラウトとの伝説的決戦

3月21日の決勝戦。先発マウンドには前年秋の強化試合から快投を見せていた今永昇太(DeNA)が上ると、2回を最少失点で抑えた。

2番手の戸郷翔征(巨人)が2回をノーヒットと完ぺきに抑えると、その後は小刻みな継投策に出た。相手の目先を変えるかのように髙橋宏斗(中日)、伊藤大海(日本ハム)、大勢(巨人)が1回ずつ抑え、8回には日米通算188勝のダルビッシュも投入した。

試合前半に村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)の本塁打などで挙げた3点を守って1点リードで迎えた9回に、ブルペンから姿を現したのは大谷だった。

ダルビッシュからバトンを受け継いだ右腕は先頭を四球で出したものの、併殺で切り抜け、最後はエンゼルスの同僚、トラウトを空振り三振に仕留めると、帽子を放り投げ、喜びを爆発させた。

これで侍ジャパンは2009年の第2回大会以来3大会ぶり(14年ぶり)の世界一奪還。2013年のドミニカ共和国以来の全勝優勝で、大会最多となる3回目の頂点に立った。

この大会を象徴する言葉と言えば、アメリカ代表の名だたる選手たちとの対戦を控えた侍ジャパンのメンバーを前に、大谷が「僕から一個だけ」と切り出し発した「憧れるのをやめましょう」だ。

「憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか。まあ野球やってれば、誰しもが聞いたことあるような選手たちがいると思うんですけど、きょう1日だけは、やっぱ憧れてしまったらね、超えられないんで。僕ら、きょう超えるために、トップになるために来たんで。きょう一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、いこう!」

ロッカールームでのこのスピーチがX(旧ツイッター)で紹介されると瞬く間に拡散され、国内外から大きな反響を呼んだ。