「音の幹の太さこそが歴史」LUNA SEA真矢さん死去。病魔と闘い続けた56年、ドラマーとしての誇りを貫いた最期

真矢さんの公式Xより

日本を代表するロックバンド「LUNA SEA」のドラマー、真矢(山田真矢)さんが17日午後6時16分、永眠した。56歳だった。葬儀・告別式は近親者のみで静かに執り行われた。

2020年にステージ4の大腸がんを公表し、昨夏には脳腫瘍が発覚。その後も複数回の手術と治療を重ね、5年9カ月に及ぶ闘病生活を続けていた。

それでも真矢さんは、ドラムスティックを置くことはなかった。来月12日に予定されていた公演での復帰を信じ、懸命にリハビリを続けていたという。妻である元モーニング娘。の石黒彩は「彼の最大の願いは“LUNA SEAを止めないでほしい”だった」と語り、その言葉が彼の人生そのものだったことを静かに伝えている。

「5人のLUNA SEA」を信じ続けたメンバーとファンの絆

訃報が発表された23日未明、公式サイトにはメンバー4人の連名コメントが掲載された。RYUICHI、SUGIZO、INORAN、Jは「かけがえのないドラマー」「35年以上刻み続けた魂のビートは決して鳴り止まない」と最上級の敬意を表し、深い悲しみを共有した。

真矢さんはかつてインタビューでこう語っている。

「音の幹の太さ。それがバンドの歴史の全て」

その言葉の通り、彼が刻んだ重厚なビートは、LUNA SEAという巨大な物語の“幹”そのものだった。

ファンからは「闘病しながらライブをしていたなんて信じられない」「あの笑顔と力強い演奏に何度も救われた」といった声が相次ぎ、SNSには追悼の言葉が溢れ続けている。

「呼吸」を叩くドラマー──プロが畏怖した“要塞”の奥に宿る真髄

真矢さんの凄みは、単なる音圧や手数では語り尽くせない。能楽師を父に持ち、幼少期から囃子に触れて育った彼は、日本の伝統芸能が持つ「間」と「呼吸」をロックに持ち込んだ稀有な存在だった。

バラエティーで見せる明るい表情の裏で、彼は常に「ボーカルの呼吸を阻害しないドラム」を理想に掲げていた。歌い手が息を吸う瞬間、アンサンブルが熱を帯びる瞬間──その“見えない呼吸”に寄り添うため、一打一打に魂を込め続けた。

四方を楽器で囲んだ“要塞”と呼ばれる巨大セットから放たれる一打は、緻密な計算と伝統芸能の精神性が融合した結晶だった。

真矢さんは、プロミュージシャンの間でも「日本のロックドラマーの中でも唯一無二」と評されてきた存在だ。その評価は、圧倒的な技術だけでなく、音楽に向き合う誠実な姿勢に支えられている。

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