高市政権への処方箋か カナダ首相が「脱・米国依存」宣言で築く“新世界秩序”の衝撃

高市早苗(C)週刊実話Web

「ミドルパワー(中堅国家)は無力ではない」

1月に開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、カナダのカーニー首相が現在の世界の構図を見事に描き出すとともに、新たな世界秩序を提唱する演説を行った。

隣国アメリカからさまざまな圧力に苦しめられる中、世界に向けて発したメッセージは、大国以外の国々の共感を呼んだ。カーニー首相の語る新たな世界秩序とはどのようなものなのか――。

カーニー首相は、「カナダ、そして世界にとっての転換点に当たるこの場で、皆さんと共にいることは、私にとって喜びであり、責務でもある。世界秩序の断絶、心地よい物語の終焉、そして大国間の地政学がもはやいかなる制約も受けないという厳しい現実の始まりについてお話ししたい」と、今の世界情勢について語り始めた。

大国間競争の時代に生きている、ルールに基づく国際秩序が衰退しつつある、弱者は耐えねばならないことなどを訴え、「この論理を前に多くの国は、波風を立てずにやり過ごす方向へと傾く。

迎合し、摩擦を避け、従順さが安全を買うと期待するが、それは安全をもたらさない」。日米関係が強化される一方で、日中関係が悪化するなど不安定な外交が続く日本の厳しい現実にも合致する指摘だ。

「数十年にわたり、カナダのような国々は、ルールに基づく国際秩序の下で繁栄してきた」と自らが旧来の米国を基軸とした国際秩序の下で利益を享受したことを認めたうえで、カーニー首相は“今”について「この取引はもはや成り立ちません。素直に言いましょう。私たちは移行期ではなく、断絶のただ中にいる」と断じた。

特に、トランプ大統領及び米国に対する批判は痛烈だ。「過去20年にわたる金融、エネルギー、地政学の危機は、過度なグローバル統合がもたらすリスクを白日の下にさらした。

近年では、大国が経済的統合そのものを武器として使い始めている。関税は圧力手段となり、金融インフラは威圧の道具となっている」。そして、「ルールが守ってくれないなら、自分で自分を守るしかない」とミドルパワーが自ら動く必要性を訴えた。

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