高市政権への処方箋か カナダ首相が「脱・米国依存」宣言で築く“新世界秩序”の衝撃

他国との連携も急ピッチで進行

カナダは、すでに戦略を変えたと強調する。

「カナダは戦略姿勢を根本的に転換した。地理や同盟への所属が自動的に繁栄と安全をもたらす、という従来の心地よい前提がもはや成り立たないことをカナダ国民は理解している。私たちの新たなアプローチは、価値に基づく現実主義に立脚している。原則を守り、かつ現実的であることだ」

流動化する世界秩序やリスクなどを踏まえた政策も展開している。所得、キャピタルゲイン、企業投資への減税、エネルギー、AI、重要鉱物、貿易などに1兆ドル規模の投資を進め、2030年までに防衛支出を倍増させる計画で、国内産業の育成にも繋がる形にしているという。高市早苗政権にも通じる政策だ。

他国との連携も急ピッチで進めている。

「EUと包括的戦略パートナーシップに合意し、欧州の防衛調達枠組みにも参加。過去半年で、4大陸にまたがる12の貿易・安全保障協定を締結した。ここ数日間で、中国及びカタールとの新たな戦略的パートナーシップをまとめた。インド、ASEAN、タイ、フィリピンなどとの自由貿易協定も交渉中。北極の主権を巡っては、グリーンランドとデンマークを断固として支持し、グリーンランドの将来を決定する固有の権利を全面的に支持する」

カーニー首相は自らが実践したミドルパワーの在り方について「ミドルパワーは連携しなければならない」とし、こう結んだ。

「旧秩序は戻らない。しかし、嘆くべきではない。この断裂からより良く、より強く、より公正なものを築くことはできる。それこそが、要塞化した世界から最も大きな損失を被り、真の協力の世界から最も大きな利益を得る、ミドルパワーの使命だ。強者には強者の力があるが、私たちにも力がある。見せかけをやめ、現実を見て、国内で力を蓄え、共に行動するのがカナダの道だ。私たちはそれを公然と、自信をもって選ぶ。そしてこの道は、共に歩む意思のあるすべての国に開かれている」