ミラノ五輪、新競技が革命を起こす。“山岳スキー”と“デュアルモーグル”の衝撃

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ミラノ・コルティナ五輪が私たちに見せているのは、既存のスターたちの輝きだけではない。今大会では、冬季五輪として25年ぶりに新競技が採用され、人気種目もまた、より激しく、より直感的なフォーマットへと進化した。

“新しい冬のスポーツ”が、ミラノの雪原を舞台に世界に中継されるのだ。

「スキーモ」──便利さを捨てた先に宿る、野生の矜持

今大会で最大の注目を集める新競技が、五輪初採用のスキーマウンテニアリング(スキーモ/山岳スキー)だ。

リフトもゴンドラも使わず、自らの足で雪山を登り、そのスピードを競う。スキー裏に貼る「シール」で急斜面を登り、頂上付近では板を背負って岩場を駆け上がる。そして山頂に到達した瞬間、シールを剥がし、一気にダウンヒルへ——。

この“登り”と“下り”を切り替えるトランジションの美しさは、まるで雪山版トライアスロンのような機能美を放つ。

効率化とスピードを追い求める現代スポーツの中で、あえて「人力のみ」に立ち返るこの競技は、自然と向き合う原点のような魅力を持っている。

2月19日、ボルミオの峻険な山々で、この“泥臭くも美しい”戦いが幕を開ける。

日本勢は、トレイルランやスカイランニングで実績を積んだアスリートたちが挑戦。欧州勢が圧倒的な強さを誇る中、日本人がどこまで“粘りの登り”を見せられるか——その一歩一歩が、ドラマになる。

「デュアルモーグル」──雪上でぶつかり合う“直接対決”

もう一つの目玉が、フリースタイルスキーで導入されたデュアルモーグル。従来の“1人ずつ滑る採点競技”とは異なり、2人の選手が隣り合うコースを同時に滑り、先にゴールした方が勝ちという、極めてシンプルで熱いルールだ。

かつてアーティスティックな印象が強かったモーグルは、この形式によって“格闘技”のような迫力を手に入れた。

視界の端にライバルの影を感じながら、一歩でも前へ、一瞬でも速く。ミスを恐れずアクセルを踏み込む姿は、雪上のバトルそのものだ。

ここには、日本が誇る“怪物”がいる。堀島行真。北京五輪銅メダリストであり、世界の頂点に立つ男だ。

隣を滑る相手を力でねじ伏せ、コブを粉砕しながら突進するその滑りは、スポーツの枠を超えたエネルギーの衝突だ。

女子では、柳本理乃、冨髙日向子ら次世代のエースが挑む。2月14・15日、この新種目はミラノ五輪中盤の最大のハイライトとなる。

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