首都直下、南海トラフ…年末年始に警戒すべき巨大地震「全国警戒」

千島海溝は“地震の巣窟”

一方、気象庁によると7月30日、ロシア・カムチャツカ半島東方沖の深さ35キロで巨大地震が発生した 

日本の広い範囲に津波が押し寄せ、地震の規模はM8.8だったと発表した。岩手・久慈港の津波の最大波は1.4メートル。広く太平洋岸で津波の影響が出た。

「実はこの巨大地震の10日前、カムチャツカ半島沖でM7.5の大地震が起きているんです。この地震は千島海溝で発生している。ロシアのことで関係ないと思うかもしれないが、千島海溝は北海道の東方沖からカムチャツカ半島東方沖へ延びている。そして、太平洋プレートが大陸プレートに沈み込む部分です。この地域ではM8を超える巨大地震が多く発生している。1952年(M8.2)と2003年(M8.0)に繰り返し起こった十勝沖地震が、よく知られています」(前出・サイエンスライター)

カムチャツカ半島周辺に目を転じると十勝沖地震が発生した1952年、11月には実にM9.0の超巨大地震が勃発しているのだ。同じ年にM8~9級の巨大地震がカムチャツカ半島を襲っているのである。

同半島の人口密度は低いが、住民は生きた心地がしないのではあるまいか。

「カムチャツカ半島はM8クラスの巨大地震が普通に起きる地域ですが、千島海溝南部に面した北海道も同半島のように、同じクラスの超巨大地震が繰り返し発生しています。このことは、津波堆積物の分布で分かっています。それによるとM8.8〜9の超巨大地震が400年間隔で起きており、前回の発生は17世紀。これは地震学を専門とする世界では『17世紀型超巨大地震』と呼ばれている」(同)

千島海溝中部では1963年、M8.5の海溝型の巨大地震が発生した。1週間後にはプレート境界で津波地震(M7.9)も発生している。

このように、千島海溝は“地震の巣窟”と言えそうなほど活発にプレートが動いているのだ。